北陸大学教職員組合ニュース第147号(2000.1.26発行)

 

「籔氏・松井氏の両氏に名誉教授称号を授与」

地労委にて和解成立

組合完全勝利!!

 

 1997年3月に北陸大学を退職し当組合員であった籔邦彦氏、松井勝彦氏に名誉教授の称号を授与しなかったのは、労働組合法に違反する不当労働行為であるとして北陸大学教職員組合は石川県地方労働委員会(地労委)に対して救済申立を行っていましたが、この1月20日に和解が成立し、法人理事会は組合の要求どおり、両氏に名誉教授称号を授与することで和解が成立しました。救済申立が行われたのは1997年7月8日ですから、じつに2年半にわたる、長い道程でした。この闘争のために、すでに退職なさっている土屋前執行委員長、橋本元薬学部教授のお二人は長文の陳述書を地労委に提出してくださっただけでなく、組合側の証人として証人台にお立ちになり、今日の日を迎えるための大きな力となってくれました。また、越浦前学長も理事会のあまりの不誠実な対応に堪忍袋の緒を切らし、理事会の虚言を暴く重要な陳述書を提出してくれました。さらに組合の顧問弁護士である菅野先生が粘り強い交渉を展開してくれ、また、さらには地労委の中島史雄会長も組合側の主張の妥当性を認め、熱心に法人理事会の説得にあたってくださいました。これら多くの方々のご尽力と、さらにこの運動をここまで支援してくれた組合員の皆様のおかげで、籔邦彦氏、松井勝彦氏お二人とも名誉教授の称号を授与という輝かしい成果をあげることができました。ありがとうございました。

 しかしながら私たちはまだまだ安心するわけにはいきません。法人理事会の体質は変わっていないからです。それは今回の和解交渉においても非常に明確な形で出てきました。右の和解協定書の第1項には理事会・理事長による審議・決定を確認する旨の文(同趣旨の文はすでに大学の規程に存在しています)がありますが、組合は最初はその項に「規程を遵守して」という意味の一文を挿入することを要求しました。ところが法人側は頑としてそれをはねつけたのです。そこには、規程よりも自分たち理事会こそが、あるいは理事長こそが法であるという姿勢がはっきりと現れています。今回は地労委会長からの強い意向もあり、また和解が成立しなかった場合必ずしも最良の結果になるとは考えられなかったので、協定書のような文で和解をすることになりました。

名誉教授称号の授与については法人理事会がわずかなりとも良識が残っているところを見せ、和解となりました。しかし、法人理事会の根本体質は文部省の行政指導にもかかわらず変わっていません。組合員のさらなる結集が求められます。

 

 

 

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(以下のページは原文を再入力したものですので,書式などに相違があります.)

 

 

 

和 解 協 定 書

 

 石労委平成9年(不)第2号北陸大学事件について、申立人北陸大学教職員組合(以下

「甲」という。)と被申立人学校法人北陸大学(以下「乙」という。)は、次のとおり和

解する。

 

 

1.甲は、名誉教授の称号の授与は、理事会に諮り理事長が決定することを確認する。

2.乙は、薮邦彦、松井勝彦の両氏に対し、名誉教授の称号を授与する。

3.申は、上記2の履行確認後、速やかに本件不当労働行為救済申立てを取り下げる。

 

 よって本書3通を作成し、甲、乙及び石川県地方労働委員会がそれぞれ1通保有する。

 

 

 平成12120

 

    甲  北陸大学教職員組合  執行委員長    田 村 光 彰

     (この行署名)  代理人   弁護士     菅 野 昭 夫

    乙  学校法人北陸大学   理 事 長    北 元 喜 朗

     (この行署名)  代理人   弁護士     山 崎 利 男

     (この行署名)         同      益 田 哲 生

    立会人 石川県地方労働委員会 審査委員長(名前署名)中 島 史 雄

                   前参与委員(名前署名)嶌 嵜 初 美

                   前参与委員(名前署名)打 本 弘 喜