北陸大学教職員組合ニュース207号(2004.02.05発行)

9回団体交渉開催される:

    法人側に誠意は見られず


 平成15年度の第9回団体交渉が平成1622日(月)に開催されました。組合は昨年1211日での団交開催要求をしていますが、法人側はこの日まで団交に応じませんでした。

 以下、主な項目の概略です。


給与改定について

組合:1.5%の要求を前回も言ったが、今回、それに対して具体的な回答はあるのか。

法人:1.5%には応じない。ただ、年齢給程度は検討中だが、能力給のほうまで含めての昇給はない。

組合:理由は?

法人:北陸3県の大学と較べて遜色はない。

組合:それだけでは説明にならない。基本的に給料は収入に対する人件費の比率で決まる。人件費の比率は、ほとんどの大学で50%前後だが、うちは、45%という目標値を出し、しかも、それを下回っている。給与が上げられないというのは不当だ。具体的提案は?

法人:いつも3月にまとめてやっているので、それには間に合わせる。

**なお、今年の予算定員について、交渉の途中で法人側から「来年度は薬学部の定員が180名増えるが、定員数は守る」という発言がありました。


平成16年度特別休暇について

法人:平成16度の夏休みの特別休暇は平成15年度同様、3日、それに2日の休暇を付けてもらって希望する時期に取ってもらう。また、年末年始休暇は、1229日から13日までとし、14日に新年祝賀会をしたい。

組合:夏休みは5日の特別休暇にして、2日の休暇願いなどなくてもすむようにすべきだ。年末年始休暇も、せめて1週間にすべきだ。祝賀会は5日の方がいい。

法人:希望はお聞きした。


平成15年度賞与について

組合:人事考課の2か月分を賞与に反映するのはやめて1か月分にという要求をしたが、そちらは変更する気はないのか。

法人:ない。

組合:人事考課の結果の検証はどのようにしているのか。例えば、そちらもアンケート調査などやる気はないのか。

法人:人事考課の結果はアンケートなどでやるべきものではない。

組合:ではどうやって検証しているのか。

法人:職員はここ4,5年ほどをやっているが人事考課をやって良かったと思う。実感でそう思う。

組合:何か裏付けとなるようなものは、実感以外にないのか。

法人:示せるようなものはない。

組合:では、教員の方はどう考えているのか。組合のアンケートでは、人事考課の結果を賞与に反映させることが大学の活性化につながったとはほとんどの人が考えていない。

法人:教員については学長に任せてある。理事会の立ち入るべきことではない。

組合:学長は、昨年人事考課の結果を賞与に反映させたことについて、活性化に役立ったと考えているのか。

学長:活性化につながったかどうかは分からない。

組合:分からないのに、今年は、昨年の倍の2か月分というのはどういうことか。

学長:裁量の幅が大きくなり、若い人に報いてあげられる。1か月では小さすぎる。去年は若い人から不満があった。メールをもらった。今年は応えてあげられる。

組合:いったい、何人の人が、そういう意味のメールを出したのか。

学長:そういう人がいたということだ。

組合:具体的に何人だったのか。

学長:言う必要はない。

組合:学長にメールを出した教員は極めて少数ではないのか。直接、学長にメールを出した教員の意見を尊重し報いると言うが、組合アンケートで示されたように人事考課をすべきでないという、法人に批判的な多数の教員の声は無視するのか。

学長:文句があれば、直接学長に言えばいい。

組合:言いたくても言えない人はいる。学生の授業評価だって無記名だからいいのだ。

学長:教員はそんなはずはない。対等だから言えばいい。大学の教員なんだから。

*結局、学長は人事考課を行い賞与に反映させたことが大学の活性化につながったかどうか分からないと言いながら、今年は去年の倍の幅でやろうとしています。学長から出された理由は学長の権力の拡大のため以外の何物でもありません。文句があれば直接学長に言いに来ればいいという言い方は、不満があればいつでも個人で会いに来て言えという理事長の物言いと見事なまでに同じです。その類似に驚かされます。学長が徹底した組合無視の姿勢を崩さなかったため、この件は全く話し合いになりませんでした。


ドイツ語とスペイン語を新学部のカリキュラムに加えることについて

組合:なぜ、新学部ではドイツ語やスペイン語を廃止したのか。

学長:英語と中国語に特化するからだ。

組合:なぜ英語と中国語だけなのか。

学長:必要だからだ。

組合:では、ドイツ語とスペイン語は必要ないのか。

学長:そんなことは言っていない。

組合:では、なぜ新学部ではドイツ語やスペイン語をやらないのか。

学長:英語と中国語に特化するからだ。言ったではないか。

組合:全然、説明になっていない。

学長:パンフレットを見なさい。


新学部の授業を担当しない、外国語学部・法学部の教員について

組合:新学部で一切の授業を担当しない教員が、組合員に多数いるが、どのような基準で新学部の授業担当者を決めたのか。

学長:それは、個人のプライバシーに関わることだから、ここでは言わない。聞きたければ来ればいい。説明する。

組合:全体の基準があったはずだ。それはどういう基準だったのか文書で説明してほしい。

学長:必要ない。すでに学部で充分に説明している。

組合:それが充分だったとは思えない。ほとんどの教員が分からないから要求しているのだが。

学長:充分やった。文書で説明する必要はない。

*この件は、平成15829日に開催された第4回団交において、法人側の明言した「3年後に整理解雇があり得る」ということと直結しており、教員の身分に関わる重要事項です。つまり、組合事項です。学長は責任者として、新学部と総合教育センター配属教員決定の基準及び新学部授業担当者決定の基準と担当者にならなかった理由を文書で示すようにとの組合の要求書(20031016日付け、及び1113日付け)に回答する義務があります。


団交の最後のところで、河島学長から、組合ニュース(第201号)の内容に関して異議がありました。これに対して組合は、理事会が組合ニュースに対して干渉することは法で禁じられている旨を言いました。それに対して学長は「分かっているが、学長個人として説明を求める」とのことでしたので、組合はあらためて、学長は理事であるから、学長の干渉は理事会の干渉となり、法に触れることを言い、引き取っていただきました。

 また、平成14年度の資金収支計算書のなかに、「その他の支出」が1,206,561,000円あり、その内訳について前の団交で質問しておきましたが、その12億円の中味は「未払い金、預り金、貸付金など」という説明が法人側からありました。

 なお、前回の団交で要求した入試手当ての従来どおりの支払いに対しては、法人側は断固として拒否をしており、あくまでも賞与の一部に入れる予定であることがあらためて表明されました。ただし、その際には職位によって不公平が出ないような工夫をするということも言われました。

 

 以上が今回の団交報告です。法人側の態度は相変わらずですが、執行部は今後も粘り強い交渉を続けていく方針です。御支援をお願いいたします。