北陸大学教職員組合ニュース221号(2004.11.30発行)



新潟県中越地震被災者に20万円寄付:組合大会で決定

 1112日に臨時組合大会が開催され,10月に起きた新潟県中越地震の被災者に組合から20万円を寄付することが満場一致で決まりました。20万円は組合費の約1か月分に相当します。組合大会では,上記のほかにも以下の議題が活発に議論されました。



1 現在,法人側から提案されている就業規則・給与規程改正案について

改正案について,組合三役が北元理事長と直接話し合いをすることを法人側に求めたが拒否されたとの説明があり,執行部としては,再度理事長との会見を要求し,この件については妥協することは考えていない旨が改めて表明され,大会に参加した組合員からも理事長自身との直接の話し合いの重要性を訴える声が多数出されました。

2 給与改定・賞与交渉について

組合は,平成16年度の給与改定は平均で3%の引き上げを要求していますが,法人側は年齢級のみの引き上げで平均0.51%を実施した切りです。組合が要求している資料(例えば評議員会に提出している予算書・決算書など)を法人側は「交渉に必要ない」として全く提示せず,誠実に交渉しようとする態度は一切見られないこと,また,賞与についても,623日に示した支給案を一切修正せず,組合の意見にも一切耳を傾けていないことが報告されました。今後の交渉に当たっては,現在の要求をそのまま前面に出していくように,組合員から執行部に対して強い要望が出されました。

3 業績評価書及び業績評価書の賞与への反映について

7月に行った業績評価書に関するアンケートでは業績評価書及び業績評価書の賞与への反映に対して多くの不満が出されました。今回の大会でも,改めてそのことが確認され,組合は業績評価の公正化,透明化を求めて法人理事会と粘り強く交渉していくことも改めて確認されました。また,業績評価を賞与に反映させることは,組合として反対し続けていくことも満場一致で確認されました。

 

 

北元理事長は組合三役との会見を拒否

平成16年度の第8回団体交渉が1124日に行われました。今回は,業績評価の結果の分布に関する説明があるため河島学長が出席しましたが,学長はあとの用事が詰まっているという理由で早々と退席し,その後の冬季賞与に関する交渉時の出席理事は松村労務担当理事ただ1人でした。法人理事会がいかに組合を軽視しているかが,はっきりと表れています。また,新たに提出を要求した基本的な給与や人件費の試算の数字も一切示されず,理事会側は「交渉には必要ない」として切り捨てました。

 以下,概要です。

業績評価について

組合:業績評価書については,今回のアンケートで一番不信感が大きかったのは,教育活動に関する学長預かりの分だった。

学長:一番配点の高い点は140点だったが,賞与への反映のときには,50点以上取っても50点までしか,反映させなかった。また,ここは一項目5点で計算して,できるだけ恣意的にならないようにし,差もつかないように心がけたが,書いてもらってなければしかたがない。

組合:たくさん書いたが低い評価しかもらえなかった者もいる。

学長:書いてもらっても特に評価する点がなければしょうがない。

組合:基準が余りに曖昧で当てにならない。学長は3学部の全員の教員の教育評価など公正にできるはずはないのではないか。また,検証の方法もないところで自己申告させても意味がない。

学長:私は皆さんがお書きになったことを信じてやっている。書いてもらえばいい。

組合:業績評価に関して多くの教員は不信感・不満を抱いている。賞与に反映するのはやるべきではない。

学長:評価書は皆さんの意見を聞いて作ったし,これからも意見を聞いていいものに変えていくつもりだ。どんどん案を出してほしい。前回もメイルでたくさんもらった。

組合:公の議論をする場を作らずに個人の意見だけ集めるというのは手続き上おかしい。

*    結局,この件は河島学長が途中退席しなければならなかったため,十分な話し合いはできませんでした。最初から時間を区切って十分な交渉に応じないのは不当労働行為ですが,現在の法人側にはそのような認識は全く欠如しています。

なお,業績評価書の賞与への反映に当たっては,0.2か月単位を区切りとして支給額を決定したことが明らかにされました。また,アドバイザー(担任)の仕事をしているかどうかは,業績評価には含めない旨,河島学長は明言しました。

 

理事長との三役会見について

組合:前回の団体交渉で理事長に会見を要求したが,なぜ断わったのか。

労務担当理事:現段階では労務担当に任せてあるから理事長は組合三役に会う必要はない,という判断だ。

組合:既にこの前の団交の時に,この件に関しては団交に出ている理事のメンバーではなく,理事長に会うべき段階に来ていると判断したから会見を申し込んだのだ。ここまで,いくら団交をしても団交の出席者は就業規則・給与規程の改正案について一言一句も変えると言ってないではないか。直接理事長に話をしなければだめだ。いつ会えるのか。

労務担当理事:それは言えない。今はとにかく私どもが交渉するということだ。

組合:では改正案を修正する意思はあるのか。

労務担当理事:ない。

組合:そういうのは交渉とは言わない。理事長に会わなければだめだ。

*    この件は,労務担当理事が北元理事長への会見取次ぎを約束して終わりました。

** 組合は1126日に北元理事長に再度会見申入れ書を出しました。

 

平成15年度・16年度給与改定,平成16年度賞与交渉について

組合側は,この件での交渉のために,評議員会に出された予算書,決算書,給与改定や賞与支給を組合側の要求どおり行った場合,法人側の試算がどうなるか,数字を示すよう,団交の前から要求してありましたが,「必要ない」として一切提示しませんでした。また,平成元年度から現在までの総帰属収入に占める人件費の割合の推移を示すよう要求してありましたが,これも理事会側は「必要ない」として拒否しました。全く交渉にならないので,要求資料を次回までに改めて準備するよう要求して終えました。

なお,法人側は冬季賞与支給を123日(金)に予定しているとのことでした。また,支給に際しては現金による支給式を行うとのことでしたので,組合側は改めて銀行振込として,現金の手渡しをやめ,支給式も行わないように要求しました。

団交の終了時に法人側は次回の団交予定について一切触れず,組合側と誠実に交渉して冬季賞与支給の正式の妥結を図るという態度は皆無でした。理不尽この上もありません。

 

 

以下のような投書がありましたので掲載いたします。

 

DC作戦を即刻やめよ――受験生募集には,マイナス効果のみ

 現在,大学当局は,DC(ダイレクト・コミュニケイションの略とか)作戦と称して全国各地に職員を送り,高校前や通学路、駅前などでPR誌の配布を行っている。その現状は悲惨としか言いようがない。登校時の高校生に配布するのが中心だから朝の7時半ぐらいから校門付近にいなければならない。前日から泊り込みである。下校時も,そう簡単に高校生がつかまるわけではない。そして,高校に許可を求めても配布を認めてもらえるとはかぎらない。だめとなれば,それを無視してやるか,他の場所でやるしかない。しなければ理事長に怒鳴られる。いきおい無理をすることになる。高校におこられたこともあるという。全くの逆効果である。

 費用という面からも問題がある。ふつう,チラシ配布などはバイトを雇ってやるものだ。その方が安いからだ。それを大学で仕事があるはずの専任の職員に,長期の出張まで含めてやらせているのだから,経営陣はいったい何を考えているのか。また,配布は,大量のPR誌――上質の紙を使っており非常に重い――を抱えての移動だから肉体的疲労も大きい。事務職員の多くが疲弊しきっている。元気なのは何もせずに号令だけかけている理事長のみだ。

PR誌の配布は年内に10万部が目標だと言う。それで何になるか。配ればいいというものではない。PR誌をもらった高校生がうちの受験生になると理事長が本気で考えているなら,おおぼけもいいところだ。大学は一生に関わる重要な場所だ。それをPR誌一部で決める高校生など全国のどこにもいない。

 要するに,PR誌を校門や駅前でまけばまくほど,この大学はここまでしないと受験生が集まらない大学なのだと思われるのが落ちである。もらった受験生なら,ここは行かないようにしよう,と考えるだろう。ここまで恥をさらして,これだけ受験生が来ているのが不思議なぐらいである。DC作戦は受験生を集めるのには百害あって一利なし。事務職員にも過重の負担である。即刻中止すべきだ。

 

 組合ニュースへの投書を歓迎いたします。執行委員まで御連絡ください。