北陸大学教職員組合ニュース264(2007.12.27発行)


<中労委報告:6年制薬学部担当外し問題>

理事会は本気で解決する気があるのか?

 

 1220日、中労委から新たな和解提案が提示された。突然の提案だった。

前回報告したように(「組合ニュース」255号)、102日の審問で中労委による和解交渉はかなり進展した。104日に中労委から「最終解決の基本的方向」が提示され、組合に対して中労委和解案を検討するように求められた時点では、11月上旬には一定の結論が出るものと予想された。しかし、その後10月中旬に、双方に開催打診があった11月上旬の調査・審問は、理事会側の都合がつかないとの理由で延期された、 という連絡が入った。 中労委と組合の連絡の労をとってくれている私大教連事務局(東京所在)からである。

11月に入ると、中労委から、理事会側の和解内容が伝えられた。とても、受け入れがたい内容であった。石川県労働委員会の「不当労働行為」という認定をまったく無視したものだったからである。つまり、理事会は、田端、荒川両氏について、6年制薬学部担当のためには数値目標をもって業績の確約をしろ、と要求してきた。これは県労働委で否認されたダブルスタンダードの再主張である。しかし、組合は、 3人の将来を考え、大学の将来を考え、中労委の努力を考え、この受け入れがたい条件を、「忍びがたきを忍ぶ」思いで受け入れることにした。ところが、理事会の要求は、これだけにとどまらなかったようだ。11月中旬、中労委は和解を断念し、123日、審問日は明年111と決まった、との知らせがあった。

 以上の経過から、組合は、和解は最終的に不成立と判断し、あとは審問において組合の主張をするだけと覚悟した。組合からは、佐倉、 田端、荒川の当事者3人が証人として立つ。理事会からは、河島学長(任期1231日まで)である。

 この時点で、冒頭の中労委からの新たな和解提案であった。中労委は12月に入っても理事会に対して説得を続け、何とか和解に漕ぎつけようとしていたようだ。しかし、一見して、説得はかなり難航したことが伺える。新和解案の詳細は報告できないが、ここに至って、また相当な隔たりが生じてきた。

今年4月に石川県労働委員会の救済命令が出て以来、8ヶ月余が過ぎた。8月に中労委の第1回調査が開催されてからは4ヶ月である。この間、中労委による和解努力が実を結ぶと思われることもあった。しかし、双方に譲歩がなくて和解が成立するはずがない。ところが、 組合からは理事会の譲歩が見えないのである。 このような経過からすると、 理事会が和解による解決を真剣に考えているとは思えない。 組合は中労委の努力を辛抱強く見守り、4月からの6年制担当を目指して早期解決を望みたいが、「組合ニュース」255号でも強調したように、「新たな紛争が発生し得るような、曖昧な部分の残る和解」は絶対に避けなければならない。



<金沢地裁報告:2教授解雇問題>

金沢地裁第1回裁判期日は218


担当弁護士によると、提訴後、第1回裁判期日までは通常1ヶ月、その後半年程度、相互の主張や証拠調べ(尋問)が続いて、1年ほどで判決であるが、北陸大学事件のような大型事件の場合は1.5倍から2倍はかかるだろうということだった。このほど、第1回裁判期日は21810時であることがわかった。担当弁護士の見通しよりもさらに時間がかかっている。早くも長期戦模様である。

皆さまのご支援を改めてお願い申し上げます。

なお、 皆さまからいただいた解雇撤回要求賛同署名は、おかげさまで1226日現在250筆を上回る勢いです。ご支援ありがとうございました。



理事会の不誠実交渉に対し、抗議書提出


「組合ニュース」前号で、理事会の不誠実交渉について報告したが、1214日、教職員組合は理事会対し以下の抗議書を提出した。


北陸大学教職組発189

20071214

学校法人北陸大学

理事長 北元 喜朗殿


                         北陸大学教職員組合

                         執行委員長 林  敬 組合印


抗 議 書


平成19127日、貴理事会はまたも教職員組合との実質団体交渉抜きで、一方的に年末賞与を支給しました。これは、きわめて違法性の高い不法行為です。 当組合は、賞与支給に至る団体交渉の無視を不当労働行為として厳重に抗議し度重なる誠実交渉義務違反を今回限りとするために、貴理事会が、これらの不当労働行為に対する謝罪と誠実交渉の確約を文書にて提示されることを強く要求します。

また、本年度の賞与に関わる団体交渉を直ちに開催することを強く要求します。


北陸大学教職員組合は、410日付で賞与及び給与等について要求書を提出し、団体交渉に応じるように要求しました。しかし、再三の催促にもかかわらず、貴理事会は夏季賞与を団体交渉前に支給しました。それゆえ、当組合は貴理事会に対し622日付け「抗議書」によって厳重に抗議するとともに、年末賞与に向け二度とこのようなことがないように、早くから団体交渉開催を要求してきました。 しかし、貴理事会は、今回もまた、同じように団体交渉開催を引き延ばし、年末賞与支給期に入った123日の団体交渉で、やっと前年比0.2ヶ月減の支給を示しました。そして、125日の団体交渉が理事会に起因する事情により不成立となったにもかかわらず、組合のその後の団体交渉要求を無視して、127日に前年比0.2ヶ月減(夏季と合計して0.4ヶ月減)の年末賞与支給を強行しました。

教職員組合は社会的に認知された団体です。経営者は、これを無視することは許されない違法行為です。当組合は、6月の抗議書で、貴理事会が労働法上の遵守義務違反を重ねることは、まさに反社会的であり、北陸大学の経営者として失格であることを通告しました。今回も、年末賞与の支給強行は、同様に労使慣行を無視した反社会的不当労働行為であることを通告し、厳重に抗議するとともに、今後の誠実交渉を確約し、団体交渉に基づく賞与支給を要求します。