北陸大学教職員組合ニュース第18号(1996.6.20発行)


学長へ質問書を提出する!



前回のニュースでお知らせしましたように、某雑誌記事に関してその真偽を確かめるぺく、理事長の臨席を求めての団体交渉を申し入れましたが、これとは別に教学上の内容について学長に説明を求める質問書を提出致しました。今後の私達の教育活動・事務活動の上で大きな影響がありますので、学長の回答に注目です。


平成8年6月20日
北陸大学学長
久野栄進殿

北陸大学教職員組合


質問書


学生監禁事件は本当ですか? 学長の説明を求めます


先日、市内書店で販売された雑誌に、”「北陸大学」校内にはびこる不正・・・・・”と称する記事が見受けられましたが、その中に学内でビラを撒こうとした学生S君が管理局職員に捕らえられ、2日にわたる長時間の監禁が行われ、最後には理事長みずから査問したと記述されていました。このことが事実であれば、我々教職員は法人に対する失望とともに、今後の教育や学生指導上で重大な影響がでるのではないかと懸念しています。

大学は学長を最高責任者とする教育研究機関でありますが、学内において学生が行った軽微な校則違反に対し、学長の管轄指導下にある大学事務職員が学生を捕束し,法人に引き渡すなどという行為は言語道断であります。学長は常日頃、”教育が大切である”と説かれ、学生や教員を守る立場を強調されておられますが、この監禁事件を学長が見過ごしていたとしたら、大変遺憾なことであります。学生S君の人権無視はもとより、拘束して講義へ出させなかった(2日目は受講中に講義室から連行したとうわさされています)という教育を蹂躪した法人の行為を阻止しなかったことは、学長の教育責任者としての適格性を問われかねない重大ミスであると思います。

北陸大学には法学部がありますが、このような事件を無視していたとしたら、その”教育理念”とは一体何なのでしょうか。また、学長のもとにある全学教授会や学生委員会のあり方にも疑問を生じます。先ず、総括的に次の点を質問いたします。

1.この監禁事件は事実ですか。事実としたら学長はどう対処したのか
2.事実としたら、学生の人権、教育の主体性に対する学長の見解を問う
3.事実としたら、学生・父兄そして社会に対する信頼回復をどうするのか


以上の点について、平成8年6月末日までに文書で回答くださいますようお願いいたします。(雑誌がご入用でしたら、すぐにお届けいたします。)
なお、この質問書並びに回答は公開として組合ニュースに掲載いたします。


「学内LAN構築」を早く!


現学長がIBM Conferenceに参加(昭和62年夏、バンコク)し,キャンバスネットワークの重要性が強調されてから相当の年月を経たが、大学は未だにネットワークはおろかインテリジエント化さえされていない。現薬学部長は、本学を”北陸の基幹大学”と位置づけて、情報ネットワーク構想を謳っている。”Global Eyes”は、どこの大学のキャッチフレーズであるかは誰もが知っている。今、本学が学内LANを設置し、インターネットをはじめとする外部情報サービスと接続したとしても、誰も立派な大学とはいわない。「遅れてますね一」とあきれられるのがオチであろう。

最近、その学内情報ネットワークが本学でようやく実現する運びとなったことは、たとえ”時代感覚のズレ”を人に笑われようとも、喜ばしいかぎりである。

平成8年度予算編成方針(平成7年11月)において、学長は8年度事業の1つとして学内情報ネットワーク構築実現へ意欲を示され、これを受けて薬学部長を中心に策定された予算要求書(同12月:3億3千万円)が提出された。この間、このために設置された全学情報システム検討委員会(7年5月〜)に作業を急がせ、たとえば見積業者を3社から6社に増やすなどして、設置可能なシステムの細部を検討させた。薬学部長は、昨年夏より全学教授会をはじめ種々の会議の席で、学内LANがいよいよ実現する旨を再三にわたってコメントされ、全学挙げてのムード作りに努力された。予算決定直前の本年4月には、私立犬学情報協会事務局長の井端正臣氏を本学に招いての勉強会が理事長主催のもとに行われた。予算の配分案は1億円でaA実質的に2億円程度のシステムが設置可能な予算である。情報システム計画に携わった教職員の労苦に敬意を表したい。

ところがである。文部省への助成申請(締切5月15日)が行われていないのである。薬学部長のおっしゃっていることが急変した,「教育優先といっている人がいますので…、コンピューター教室のコンピューターを先ず…」。
教育優先?
それは正しい。学生納付金でやっている大学が教育環境を整えるのは当然であろう。学内LANもその一環ではなかったのか。そうでなければ,3億3千万円(予算要求)のLAN構築の大事業を、委員会までつくって急がせたことは不可解である。

大学予算の使途について、教育用コンピューターを整備することは必要なことである。しかし、学内LAN構築と情報教育機器の導入とは全く次元の異なるテーマであり、”情報”という言葉だけで2つを混同させるところは、その認識の低さを感じざるをえない。

ビル・ゲイツは著書の中で、「ネットワークの構築は、インフラ整備であって直接には利益を生まない」と述べている。このことを理解し、みんなの合意や協力がなけれぱ、本当の学内情報ネットワークは実現しないと思う。
組合員の皆さん、情報部会を作って勉強会をやりませんか!
乗りおくれまっせ!