北陸大学教職員組合ニュース第42号(1996.12.18発行)(No.42)

 

教授25名

次期学長決定・人事権の濫用を法廷へ

 

      執行委員会 支援の方向を打ち出す

 

 12月17日北陸大学の教授25名は、教員の意志を無視した次期学長人事ならびに薬学部教授人事に対し、無効とする内容を金沢地裁へ提訴しました。教授らは、最近頻繁に教員の意志を踏みにじる決定が法人サイドから行われ、大学教育が破壊されつつある事態にやむを得ずとった措置であり、民主主義の基盤の上に真に開かれたキャンパスを再構築しようとする行動であると説明しています。国の認可を受け国民の貴重な税金を頂いている学校法人、国民の負託を受け、公教育を担い将来の人材を育成している北陸大学、その大学で教職員や学生の人権が侵され、民主主義が蹂躙されている現状を学内にいながら黙って傍観していることこそ、学生や国民を裏切る行為であるとの気持から立ち上がった教授らの決意は、北陸大学教職員組合が設立された趣旨とも合致し、

組合の民主化運動と連動するものであります。12月4日の教職員組合総会で、次期学長選任決定の白紙撤回や教職員の人事権濫用停止の民主化運動、あるいは有志の会などへの支援の方針が了承されたばかりであります。そこで、執行委員会は今回の教授らの提訴を全面的に支援する方針を決定いたしました。いずれ大会等で皆様のご意見を集約したいと考えておりますが、総会で了承された行動計画に従っていることで皆様のご理解をお願いし、絶大なる支援をいただきますようお願いいたします。

 

 

   〜 北陸大学には「大学事務」はないのか 〜

 

入試結果や学生成績をも管理する法人

 

   −  不 可 解 な 法 人 管 理 機 構  −

 

 本年8月1日、法人管理局は事務系機構の編成換えを行い、新しい管理機構図(裏面にコピー)を発表した。これを見て非常に驚いた。それは、北陸大学の全ての事務職員が理事長を頂点とする法人の管理系統に組み入れられている のである。これを作成したのは、学校法人(私立大学)について全く無知のなせることなのか、何らかの他の意図があってのことなのかは知らないが、甚だ非常識である。特に北陸大学では、以前に入試で過失を犯し社会の強い非難を受けた苦い経験があり、当然その経験を生かすべく、他大学以上に事務の管理機構には神経を使わねばならないはずなのに、それを無視したこの管理機構図は理解できないものである。このままでは再び世間の疑惑を招く事態が発生するおそれがあろうし、それよりも、大学の本来の業務である教育研究のための支援体制が全くできていないことで、大学としてのレベルが低下するのではないかと心配している。

 これが発表されたとき、多くの教員から疑問の声が上がったので直ちに是正されるものと思っていたが、いまだにそのままである。これでよいと思っている人がいたら深刻な問題である。いまさら、学校教育法などの法律を持ち出すまでもなく、大学事務系統の構築についてどのような思想でやらなければならないか、全ての事務職員に大学に就職した時点で教育されていなければならないことである。本学事務における「自己点検・評価」はどうなっているのだろうか。

 これを是認する人物が、これは単なる人事管理上の配置図であり、大学の自治、業務の独立性をおかすものではないと強弁するとしたら、例えば、団交の席上に「法人側職員」として、入試課長をはじめ各部・課の部課長が多数出席していることをどう理解すればよいのだろうか。