北陸大学教職員組合ニュース第80号(1997.7.9発行)

 

 

 

地労委へ救済申し立て

 

松井、薮両氏への名誉教授称号の授与拒否は不当

 

 組合は、7月8日に標記の件について、「学校法人北陸大学・北元喜朗理事長は、松井および薮両氏に対して、両氏が組合員であったことによる不利益取り扱いを直ちにやめ、北陸大学名誉教授の称号を授与すること」を求めて、石川県地方労働委員会に不当労働行為救済の申し立てをしました。

 ご承知のように、開学以来20数年にわたり、教育研究で本学に貢献された薬学部の松井教授と薮教授が、この3月に停年退職されました。

 ところが、本学の「名誉教授称号授与基準」(下記参照)および過去の同基準の適用例に照らして、両氏には十分に名誉教授の称号が与えられる資格があるにも拘わらず、理事会はその授与を拒否しました。これまで、基準を満たしながら、称号を与えられなかった教授は皆無であり、それどころか、在任5年で基準には全くあてはまらない場合にも、準ずる者として授与されています。

 組合は、この問題について5月以来2ヶ月にわたって5回の団交を重ねて、拒否理由の説明と両氏に対する称号授与を要求しましたが、理事会側からは、授与を拒否した根拠についての明確な説明は未だに全くありません。ただ、「時間をいただきたい」とか、「在職中の諸活動を見て称号に値しない」などと言うのみで、組合の抗議と要求に対して、理事会はなんらの対応もしていないことも判明しました。

 薬学部教授会でも、数回にわたり、この問題について学部長に拒否の理由を質し、善処を要求しましたが、学部長からは意味不明な無責任な発言がかえってきただけです。

 現在までの経緯から、拒否の理由は、両氏が組合員であったこと以外に考えられず、理事会が結成以来敵視し続けている組合の攻撃の一環として、両氏に名誉教授の称号を授与することを拒否したことは明白であります。これを見せしめとして、大学の正常化・民主化などの活動の妨害を図る悪質な支配介入であり、不当労働行為として、万やむをえず、救済を申し立てることになった次第です。

 皆様のご理解とご支援をお願いいたします。

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北陸大学名誉教授称号授与基準(抜粋)

1.対象者  

(1) 本学の学長として在職した者

(2) 本学の教授として20年以上在職した者

(3) 本学学部設置認可申請書登載教授として10年以上在職した者

(4) 教育および学術上の功績が特に顕著であり、本学の名誉を高めた者

2.在職年数

 前項第2号に定める在職年数については、本学の助教授としての在職年数は、その2分の1を、講

 師(常勤)としての在職年数は、その3分の1を、教授としての在職年数に通算することができる。

前理事長の法外に高額な「退職金」の返還と「年金の支給」の停止を求めよう!

 

 今回の理事会の松井・薮両氏に対する名誉教授の称号授与拒否は、明らかに教職員組合と大学の民主化などを求める教員有志に対する悪質な嫌がらせであり、断じて許すべきではない。両氏とも、薬学部設置認可申請書の登載助教授として開学当初に着任され、4年後からこの3月まで教授として、教育研究を通して本学の発展に大いに貢献されたことは、誰もが認めるところである。基準を満たしながら拒否される理由など両氏にはあろうはずがない。

 最近の理事会は、教員に対しても教育研究などの大学本来の貢献よりは理事会又は理事長父子への貢献?のみを重視していると言わざるをえないような決定が多発しているようである。最近の学長・学部長等の選任をはじめ、教員人事、事務職員の処遇などで、それが端的にあらわれている。今回の拒否の理由もまさにそのものであろう。

 もし、「そうではない、厳正に評価し対処した」と言うのであれば、前理事長北元喜雄氏の処遇との比較はどうなるのだろうか。他に例を見ない法外に高額な「約3億円の退職金」と「年額3千万円近い終身年金で、月額2百数十万円」が毎月支給されているとのこと。在任中は理事長としての充分な待遇を受けていたはずであり、さらに子の北元喜朗氏への世襲を行い、それに加えて信じられないような高額な退職金と年金を受ける。それに対して、名誉教授は称号のみで、ほかに何もないのである。それも退職金を貰って退いた前理事長が再び理事に復帰し、その人が出席した理事会で今回の名誉教授称号授与が拒否された。全く滅茶苦茶で何をかいわんやである。前久野学長の退職金や功労金もどの程度だったのだろうか。

 これを機会に、学生達にグランド・体育館や講堂を与えるために、前理事長の法外に高額な退職金の返還と年金の支給停止を求める運動を起こそう!

 

学長・薬学部長の無責任さにはあきれる。公選の早期実現を!

 

 昨年来、学長・学部長の無責任さには目に余るものがある。今回の名誉教授拒否問題でも、それが一層あらわになった。久野前学長は拒否したときの理事会でどのように振る舞ったのか。学長が推薦したはずであるが、教学を代表する唯一の理事として努力したのだろうか。退陣を要求されて八つ当たりしていたとの噂もあったが、学長からは何の説明も弁明もない。

 現学長の佐々木氏も全く知らん顔である。例によって、「聞いていない」と逃げているのかも知れないが、中川理事は、教学の問題だから学長に説明していると言っている。教員からは退陣勧告を突きつけられているし、「私は、理事会から指名された学長だから」と、教員よりは理事会の意向に従うのでしょうか。もし、そうでないのならば、拒否を撤回するよう努力すべきです。

 薬学部長に理事会から一方的に任命された山本郁男氏も同様である。教授会での再三のこの問題に関する質問や要求に、全く無責任な言葉しか戻ってこない。「中川理事に聞いたが、よくわからん」、「(理由は)わかっているくせに」、「勝手に理事に聞いてくれ」などなど。学部教員の代表として、教員のために考えたり、行動する気は全くないようである。

 今更言うまでもないが、このような学長や学部長では、北陸大学は崩壊するばかりである。

一刻も早く学長や学部長を教員の意思で選出し、大学と教育環境を正常化するために努力しよう!

 

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