北陸大学教職員組合ニュース第98号(1997.10.13発行)

 

文部省への「虚偽報告」について

 

        中川幸一専務理事に釈明を要求

   

どれが事実なの? 虚偽報告をさらに繰り返さないために

 

 北元喜朗理事長ら本学理事会は、文部省から本年3月に実に多項目に亘る異例の厳しい行政指導を受けましたが、その詳細な指導内容をもひた隠しで開示を拒否し続けていました。ところが、9月上旬に極めて異例なことに、再度の行政指導を受けました。これは、本学理事会とっての重大な不祥事であり、誠に遺憾の極みです。(組合二ユース第96号10月2日発行を参照してください)

 

 3月の行政指導の際に、新聞やテレビなどの報道機関でも一斉に報じられて明るみに出た、太陽が丘キャンパスの体育施設「スポーツセンター・サウンドトラック」にまつわる「文部省への虚偽報告」は、不祥事中の最大の不祥事であります。

 そこで、組合ではこれらについての事実関係の釈明を求めてきました。しかし、理事長宛の「行政指導内容開示」要求(組合二ユース第83号)にも、松村理事宛の「有限会社フォワード」の実体を問う質問書(同第84号)にも全く回答はありません。幾度にも亘る団体交渉での追及には、さすがに無言を通すわけにもいかず、「虚偽報告」を認め、文部省には「顛末書」を提出して謝罪したとのことですが、その顛末書の内容は見せられないと、開示を頑なに拒否しています。(組合二ユース第82号、第90号、第92号、第94号をそれぞれ参照してください)

 

 ところが、不可解なことに、最近になって急に「サウンドトラック」の2階部分は職員の福利厚生施設として作ったと言い出したのです。組合二ユース第84号で紹介しましたように、その部分は、営利を目的として設立された松村理事が社長の「有限会社フォワード」の所有となっていて、豪華なサウナと休養室があり、その存在を文部省には隠していたのです。以前から組合ではその存在に疑問を抱き、理事会を追及してきましたので、その実体のない会社「フォワード」を昨年解散してしまいました。

 文部省にはその存在を隠蔽し、都合が悪くなると問題の会社を消してしまい、「虚偽報告」と騒がれると、学生の為の施設と言っていたかと思うと、今度は、福利厚生施設と主張しています。学生便覧には2階部分は記載されていませんので、学生の施設ではないのではと言うと、こんどは職員の施設ですとのこと。教職員のほとんどは、この施設が教職員の福利厚生用とは知りませんでした。

 一体どうなっているのでしょうか? どれが事実なのでしょうか?

 そこで、この件の責任者となっている中川幸一理事に右の「釈明要求書」を手渡しました。他の人達と違って彼ならば、誠意ある回答をしてくれるものと期待しています。

 

 

 

学校法人北陸大学

専務理事 中川幸一 殿                平成9年10月2日

 

                         北陸大学教職員組合

                         執行委員長 土屋 隆

 

          文部省への虚偽報告に関する釈明要求書

 貴殿は、我々教職員組合との団体交渉の席上、今回の文部省へのサウンドトラックをめぐる「虚偽報告」の責任は一身にある旨表明されており、かつ当方の調査の結果でも、「有限会社フォワード」設立時に、貴殿は松村幸男理事と連名で設立趣意書を発表するなど、極めて重要な役割を果たしている。それ故に、その趣意書がフォワード設立登記に際し用いられたとすれば、貴殿の責任も大きいと言わざるを得ない。

 「フォワード」をめぐる文部省への虚偽報告は、世間の耳目を集め本学の社会的信用を著しく損ねた。その責めを一身に負うと明言した貴殿に対し、我々は、我々の正常な教育環境の維持のために以下の4点について釈明を求める。

 

1.貴殿は、「有限会社フォワード」設立時に、その会社が実体の伴わないものとなることを認識していたのか、また、いわゆる「ダミー会社」設立が犯罪にあたる行為となることを認識していたのか否かを伺いたい。

2.文部省への「虚偽報告」発覚後、この問題の責任者である貴殿は理事会で釈明し詫びたとのことであるが、その釈明の内容と理事会からどのような処分が貴殿に対して行なわれたのかを伺いたい。

3.文部省に虚偽報告の「顛末書」を提出して謝罪したとのことであるが、その「顛末書」の内容を伺いたい。

4.文部省へ顛末書を提出後にも、問題のサウナ施設などのある2階部分について、「学生のための施設」から「職員の福利厚生施設」と、貴殿の説明は二転三転しているが、その点の事情を伺いたい。

 

 先に我々は、松村理事に対し、自らが代表取締役に就任した問題の「有限会社フォワード」について公開質問状をもって 説明を求めた。しかしながら、同氏は未だに回答を拒み、自らの行為の重大性を認識していないかのごとき言動に終始していることに対し、遺憾の意を禁じ得ない。貴殿には、速やかに、誠意ある回答を期待するものである。

                                    以上

 

 なお、本書と貴殿の回答は、組合ニュースに掲載し公開することを申し添える。