北陸大学教職員組合ニュース第112号(1998.3.24発行) 

 

「北陸大学訴訟」6月の法廷で土屋教授が証言予定 

北陸大学の“真実”が明るみに!

  学長選任などをめぐる裁判(北陸大学訴訟)は、本年2月27日の公判(金沢地裁)で、これまでの手続き論を終了して実質審理に入ることになり、次回6月5日の法廷に原告団教授の土屋 隆氏(前執行委員長)が証人として出廷することになった。原告団は、本学の北元理事長、中川専務理事、久野前学長、及び原告教授3名の6人を証人として申請していたが、裁判所と原告、被告双方の弁護士との協議で、土屋氏1人の証言が認められたものである。

 証言台に立つ土屋氏が何を述べるか注目されるところであるが、本学法人理事会の“独断専行”のすべてを明らかにするものと思われる。これまでの裁判にも多くのマスコミ関係者が取材に来ていたが、「北陸大学の真実」が生の声で語られることになり、報道各社は、法廷証言を軸に北陸大学問題をふたたび一斉に取り上げるものと思われる。

 真実を明らかにすることは大切なことであるが、結果として北陸大学の不名誉なことがふたたびクローズアップされ、法人理事会は苦しい立場に追い込まれるだろう。昨年3月裁判所による和解の道を一方的に閉ざした北元理事長の責任はやはり重大である。

 和解が決裂した後においても、法人理事会が文部省の行政指導に従って、学長・学部長を民主的に選任していれば、学内の不用な対立は解消していたはずである。法人理事会が裁判を継続したことで、北陸大学にとって何のメリットがあったのか、今もって不明である。全学教授会の混乱が象徴しているように、事態はますます混迷を深めたにすぎない。

 しかも、この和解調停を一方的に破棄した法人理事会が、これまでの裁判で支払った弁護士費用など裁判経費は数千万円にのぼると予測される。これらはすべて学生の授業料で支払われているのである。理事長一個人の“エゴ”のために、大学としてそのような出費を勝手にさせてよいものだろうか、学生父母になんと説明するのか。

 教職員組合は、引き続き本学の経理の公開を要求するとともに、この裁判費用についても追及してゆくつもりである。

 

 

拝啓 北元喜朗殿

私たちはなぜ理事長の退陣を要求するのか(その2)

 北元理事長、私たちは昨年来、あなたの退陣を要求しています。その理由は、組合ニュース第109号でお知らせいたしました。今回は、別の面からお話し申し上げたいと思います。

 私たち教職員組合の大部分は教員であります。教員たちの大学への関心事は、教育研究で思う存分活躍できる環境であり、学生とともに明るいキャンパスを築ける環境です。多くの教員は通常、理事長の言動や、理事長が若干の贅沢や浪費をされたとしてもあまり関心を払わないもので、よってどなたが理事長をおやりになろうがとくに意識しないものです。ところが本学では、理事長を意識する状況があまりにも多いのです。それは、あなたのまわりの、とくに私たちとの接点にいる人たちの言動が、恣意的かどうかわかりませんが、私たちに理事長を意識させるように仕向けているからです。

 教学の最も重要な職にいる佐々木学長や3学部長が、大学の教育研究の担い手である教員の意思を汲みとらず、自ら発想することもなく、理事長の意向を背後に匂わせながら地位に執着していることがそれなのです。佐々木学長は全学教授会で、その非民主的な議事運営で数ヶ月の間に2度も排斥要求がでました。3学部の学部長たちは、学部教育に対する確固たるビジョンを持たないばかりか、教員の意見を集約することすら満足にできません。学生部長はどうでしょうか、最近の失態は即刻辞任すべきことではないでしょうか。教員の誰からも全く信任されず、よって本来ならその地位にないこの人たちに正論を説いてみても始まりません。結局、このような学長や学部長、あるいは学生部長を任命し、学内に不毛な対立を招いた北元理事長に不満や怒りが集中するのは当たり前の理屈なのです。

 これは、事務組織にもあてはまる構図です。むしろ教員以上にもっと深刻かもしれません。職場の人間関係が破壊され、不信が渦巻いている状況をなんら改善できず、ただ上下関係だけでものごとを処理しようとする幹部職員、これでは明るい建設的な職場は取り戻せません。ほとんどの職員は悩み、消耗しています。陰険な対立の鬱憤や差別される不満が、このような体制を強いている北元理事長に集中するのは当然のことなのです。

 北元理事長、私たちがあなたに辞任を求めるのは、あなたが一部の迎合的な人物、いわゆる“とりまき連中”にしか頼れず、学内に鬱積する不満を正しく理解できなかったことにあります。あなたにとって、人の心をつかめなかったことが最大の失敗 です。これは、先日の卒業式の告辞であなたが述べられた「仕事上の失敗」ではありません。大変残念に思います。

 北元理事長、私たちが要求する「理事長の退陣」は学内世論になりつつあります。一日も早く良識ある対応をされることを心から望む次第です。

敬具

平成10年3月24日    

                          北陸大学教職員組合・組合員一同