北陸大学教職員組合ニュース第114号(1998.4.17発行)

平成10年度新学期スタート

新法学部長に初谷良彦教授就任

法学部教員の意思が尊重される

 

 平成10年4月1日から、北陸大学法学部長に初谷良彦法学部教授(憲法、社会保障法)が就任された。これは、我々教職員組合が設立以来取り組んできた学園民主化の一つの活動である「学長・学部長の民主的な選出」の要求に沿った明るい話題である。本学法人も「With」(4月1日付け)を発行して、初谷新法学部長の就任を報じている。そこでの法人理事会は、あくまでも「現行規程に基づく任命である」とする姿勢を崩してはいないものの、「学部教授会の審議を経た」という事実を素直に認めている。

 法学部では、去る3月5日の教員会において出席する全教員(20名)で投票を行い、19対1で初谷教授を学部長候補に選出した。その後、教授会においてこの結論を異議なく承認し、正規の学部教授会での決定となったものである。

 法学部での決定に先立ち、学長である佐々木氏は、「選挙とか、決定とかといった表現をしないように」などと言葉にこだわり、およそ選挙管理委員長(石川県)にはそぐわない姿勢をみせていた。しかし、いかなる言葉で修飾しようとも、民意に従って選ばれた学部長は「公選」学部長以外の何ものでもない。そして今回の法学部長誕生は、現行規程の下でも、教員の意思を反映させることが可能であることを如実に示したのである。

 何故、こんな簡単なことを1年前に行えなかったのか、という素朴な疑問はひとまず置こう。問題は過去の過ちを咎めることだけでは解決しない。今、直ちに取り組むべきことは、残る2学部の学部長の処遇についてである。直ちに薬学部長と外国語学部長を選び直すことを提案したい。職位を問わず、教員の多数に背を向けられた「学部長」がどれほどみじめで、且つスムーズな学部運営に無益なものかは、この1年の経験が雄弁に物語っている。教育、研究という大学として最も大切な使命に直結する教授会が、孤立した学部長によって意思の疎通を欠き、停滞させられるという事態は、やはり許されないのである。法人理事会の前向きな意識改革と英断、そして教員の願いを受け入れる寛容が今こそ求められている。

 初谷法学部長の就任は、我々に一筋の光明を与えてくれた。これからの法学部は、明るく活力のあるものに変革してゆくであろう。他学部も、学部教員の意思が反映された新学部長のもとに結集して学部教育の活性化をはかり、一致協力して北陸大学の発展を目指さなければならない。新学長はもとより、3学部そろって新しい学部長の誕生を切に願うものである。

 一方、学長・学部長の地位不存在で争っている「北陸大学訴訟」の原告団教授らは、初谷法学部長が法学部教員の意思によって選出されたことを受け、法学部長については訴訟を取り下げることを検討しているとのことである。

法人理事会は、これ以上の北陸大学のイメージを失墜させないためにも、そして裁判経費で授業料を無駄に使わないためにも、最善を尽くさなければならない。

 

 

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学生有志による「理事長退陣署名」活動

学生の署名者1200名を越える

 本年2月頃より始まった学生有志諸君による「理事長退陣要求」を含む改善要求運動は、

新学期に入り拡大の様相を見せている。4月15日までに学生の署名者1213名,父母の署名者751名に達したことが、TV、新聞報道で明らかにされた。

 就職活動シーズンにあたり、学生、父母はかなりの危機感を募らせていることがうかがえる。教職員組合は学生の行動についてすでに父母へ手紙を送付しているが、今後とも大きな関心をもって見守ってゆくつもりである。

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北陸大学は私たちの大学です。

私たちは、学生や教職員の誰からも

尊敬され信頼される理事長、学長を望んでいます。

4000学生が集う学問の府として

明るく美しいキャンパスと

活気に満ちた北陸大学を

私たちの誇りとしなければなりません。

教職員組合は、新しい北陸大学を目指します。

 

組合へまだ加入していない教職員の皆様、

どうか今すぐご入会ください。おまちしています。

 

[連絡:教職員組合執行委員:島崎(法学部)岡野(外国語学部)沢西(薬学部)吉田和(事務局)柿木(薬事務局)までお申し出ください]