北陸大学教職員組合ニュース第124号(1998.7.31発行)

 

教職員組合設立3周年記念 

祝賀会盛大に行われる

 北陸大学教職員組合の設立3周年を記念する祝賀会が、7月17日に金沢白鳥路ホテルにて盛大に行われました。会場は、組合員はもとより、未加入の教職員や太陽アソシエイツ労働組合の方など多数の大学関係者が集まり、何の忌憚もなく打ち解け、身近なこと、大学のことを論じ合える場となりました。桜田委員長は、継続は力なりを説かれ、今後とも一致団結して北陸大学の教育労働環境の改善に突き進もうと挨拶されました。来賓からは、教職員組合がこんなに活発に活動している大学は他に例を見ないと賞賛の言葉をいただきました。太陽アソシエイツ労働組合の委員長からは、教職員組合の支援に感謝の挨拶がありました。学部を越え,教職員の職、職階を越えて一同に集えるこの雰囲気が組合の最大の強みであり、また拠りどころであることが改めて感じられました。

 3年前、本学の過半数の教職員が、やむにやまれぬ思いで組合を設立したときの皆の意識が何一つ変わっていないことは、大変うれしいことですが、反面、本学は依然として正常で明るい職場環境になっていないことを意味しており、まだまだ頑張らなければという決意を新たにしました。

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名誉教授称号問題   地労委より和解勧告

証人尋問で高倉理事は暴力被害事件を否定せず

 昨年7月より石川県地方労働委員会(地労委)に救済申立がされている、松井勝彦、籔邦彦両氏(前薬学部教授)に対する法人理事会の名誉教授称号授与拒否事件について、地労委の中島会長は、7月21日、双方に対して和解勧告を出しました。

 第6回審問は7月21日に地労委において行われました。今回は法人理事会を代表して高倉健理事が第5回についで証言台に立ち、申立人の組合代理人である菅野弁護士による反対尋問が行われました。

 尋問は、まず高倉氏が証人としてふさわしい立場にあるかどうかを確認する質問から開始され、高倉氏は自分が理事会の中心メンバーの一人であると明言はしたものの、重要な質問に対しては明確な答弁を避けることに終始し、中島会長から注意を受けることも一度ならずありました。

 大学と北元関連企業(太陽グループ)との不明朗な関係に対する文部省の行政指導に関する質問に対しては、高倉理事は「文書で見たことはない」という無責任な返答をし、北元前理事長の退職金3億円および終身年金のこと、変更された「功労年金規程」の内容など、経営陣に対する不信感の根源となっている諸問題に対しては、すべて明確な証言を拒否しました。また、何千万円にも昇る職員の超過勤務手当の不払いで、労基署から支払い命令を受けた件でも、理事会は不払いの事実を承知していたのかどうか、命令を受けたことに関して議論がされたかどうかについての質問に対しても、「認識不足だった」というような意味不明確な証言に終始し、北元現理事長の責任についても、「把握していたかどうかはわからない」とし、とても法人理事会を代表する証人の言とは思えないような回答が繰り返されました。

 さらに、北元喜朗氏の理事長としての資質を知る上で重要な手がかりになると思われる、高倉理事自らが被害者と噂された2度の暴力事件に関する組合側弁護士の質問に対しては、「覚えていない」と答え、明確な否定をしませんでした。そこで、弁護士は、数年前に起きたとされる重大なこの事件を「覚えていないということはないでしょう」と真実を述べるように促しましたが、やはり「覚えていない」と繰り返すのみでした。

 また、組合との間には信頼関係がないので組合の掲示板や事務所の供与はできないとしたことで、なぜ組合との間に信頼関係がないのかという質問に対しては、高倉理事は、組合が「組合ニュース」などで法人理事会を誹謗中傷しているからだと主張しました。これに対して、組合側の弁護士が、誹謗中傷の例を具体的に述べるようにと言うと、高倉理事は「ありすぎて答えられない」とし、弁護士が具体的に言うように再度要求すると、高倉理事は黙ってしまいました。

 名誉教授の称号授与の基準については、高倉理事は、「授与基準には明文化されていないが、運用の基準として、役職を二つ以上経験していないと名誉教授の称号は授与されない」とした前回の証言を今回も繰り返すだけで、いつから、どこで、どのように、そのような基準で名誉教授の称号が授与されるようになったのかはまったく説明しませんでした。理事会が自ら決めて明文化した授与基準をなぜ守らないのかという組合側弁護士の質問に対してはほとんど返答がされず、尋問が進むにつれて、理事会のきわめて恣意的な規程の解釈・運用と裁量権の乱用とが地労委委員の前に明らかにされました。尋問終了後まもなく地労委が和解の勧告を出したのも当然かと思われます。

 今回の高倉理事に対する反対尋問により、北元理事長の経営責任者としての資質が改めて問われることになり、また、法人理事会が、不明朗な大学経営や杜撰な労務管理を行ってきたことが、理事の証言から浮き彫りにされました。教職員組合は、3年前の結成以来、健全な大学運営を主張して現法人理事会の運営を批判してきましたが、まさにそのゆえに、これまで法人理事会が組合を敵視してきたことも理事の口から明らかになりました。前教授2名が組合員であるがゆえに、法人理事会がダブルスタンダードを用いて名誉教授の称号授与を拒否した、というのが今回の事件の真相であることはもはや地労委にとっても明白なのではないでしょうか。

反対尋問が終了すると、中島会長から、名誉教授称号の授与について多岐にわたる説明書類の提出が法人理事会に対して命ぜられ、その後、さらに、法人側、組合側の双方に和解勧告が出されました。順調に進めば、9月4日に予定されている第7回審問を受けて、和解の内容が決まることになります。今こそ、法人理事会の良識ある対応を期待したいものです。

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