北陸大学の正常化を目指す教職員有志の会会報第14号(1997.11.25発行)

教職員の皆様へ

「第2回 正常化を考えるシンポジウム」開催

 私共「有志の会」は、去る11月15日(土)午後2時から、金沢市広岡町2丁目の六華苑において、「第2回北陸大学の正常化を考えるシンポジウム」を開催しました。土曜日の午後にもかかわらず、会場には、ご父兄、学生、教職員など100名を越える参加者をえ、前回にも増して熱のこもったやり取りが繰り広げられました。

 シンポジウムは法学部石上助教授の司会で始まり、まず外国語学部岡野教授が、第1回シンポジウム以降の「正常化」に向けた動きを報告し、9月に行われた2度目の行政指導の後、ようやく理事会側からのアクション(行政指導の内容説明、学長任用規程案の作成など)が始まったことなどを説明しました。ですが、「有志の会」代表である法学部中山教授に対して、先ごろ一方的に施行された就業規則を根拠とする解雇通知が発せられていることが公にされ、事態は決して楽観できないことを再確認しました。

 この日のメインは、立命館大学産業社会学部林堅太郎教授の特別講演でした。立命館は、ご承知のとおり関西私学の雄であり、積極的な大学運営で知られています。「立命館大学 その活力のヒミツ」と題した講演で林先生は、これまでの立命館の歩み、教学のみならず、学生の声も反映できる優れた理事会システムなどを紹介されました。そして、「教員と職員が協力して学生のニーズに応える」ことが、これからの大学に絶対に必要であることを強調されました。

 長い歴史と伝統を持つ立命館と本学とを単純に比較することは意味がありませんが、聴衆は、あまりの違いに、しばし言葉を忘れるほどでした。と同時に、「有志の会」が目指す方向に誤りがないことが、現実の成功例によって証明され、意を強くしました。

 続いて、質疑応答に移りました。あらかじめ質問用紙を配付する学会形式で行われた質疑では、まず、立命館の機構についてより深く知りたい、という声が多数寄せられました。続いて質疑は本学の諸問題に及びました。その中で、高額な学費と公開されない経理に対してご父兄が抱かれる不信の念がどれ程強いか、改めて思い知らされました。せめて教学だけは、不正常な現実を追認することなく、学生と接していかなければならないことは明白です。

 最後に、中山教授が登壇され、今後も正常化に向けて、「初志貫徹するまで頑張りたい」と決意を明らかにされ、盛会のうちに会を閉じました。

 今回のシンポジウムの成果の一つとして、ご父兄からリアルタイムの声をいただけたことが上げられます。法人の姿勢を厳しい目で見つめられ、同時に「有志の会」にエールをお送りくださるご父兄に心より感謝申し上げるとともに、次なる課題、「学生との連携」を強化し、正常化を押し進めることが私共の責務であることを強く心に刻む機会となりました。

 

                                   1997.11.15

北陸大学の正常化に関する構想と提案

                            有志の会代表
                            法学部教授 中山 研一

 

  1.第1回シンポジウムのまとめ

   @ シンポジウムの意義

   A 「正常化」の意味

   B 法人当局の対応

   C 理事者側と教学組織の協働関係の確立

   D 自主的な「正常化」のための努力

 

  2.大学正常化の現状把握

   @ 文部省の行政指導

   A 全学教授会の動き−学長選考規程

   B 現時点の重要性

 

  3.特別講演の趣旨

   @ 協働関係のモデル

   A 活力のヒミツ

   B 自主性と自律性

 

  4.北陸大学の現状分析と総点検

   @ 教育の現状

   A 研究の現状

   B 管理運営の現状

 

  5.正常化の構想と提案

   @ 学長・学部長の公選制の実現

   A 教員会自治の確立−人事のルールの確立

   B 理事会の改革−経営と教学の分離

   C 教育・研究体制の自主的・自律的確立

   D 教員と職員と学生の連帯と相互批判

   E 全面的な活性化への協力体制の確立

   F これまでの活動と将来への展望