「黒塗りに関する考察」

 

北陸大学平常化を目指す学生の会

第2号 1997.12.11発行

 

皆さんは、法学部校舎正面玄関横に停めてある3台の黒塗り高級車をどう思われますか。一台は理事長専用、一台は学長専用です。学長にまで専用の車があるなんて、この北陸大学は随分と懐に余裕があるようです。一体誰に見せるため、何を誇示するために正面玄関に駐車してあるのでしょう。普通、そんな車が正面に置かれているでしょうか。そんな大学が他にあるでしょうか。そもそも、その車は私達の払った学費で購入された大学の備品です。理事長や学長だけが使用する車を何台も購入する前に、もっと必要性の高い備品が不足していないでしょうか。

例えば図書館を見て下さい。大学の図書館なのに、専門書はもちろん一般書籍も圧倒的に少ないです。その上、図書の購入予算は毎年削減される一方です。こんなに役に立たない図書館で納得できますか?

バス通学の人なら感じたことがあると思いますが、学生の数と比較しても通学用のバスの本数が少なすぎます。何故理事長北陸鉄道に掛け合ってくれないのでしょうか?毎日送り迎えしてくれる専用車があるお方には、バス通学の不便さは理解できないのでしょうか。

そして、学食です。ここの学食は高くてまずい。他の大学の学食をのぞいて見て下さい。きっと涙が出てきます。普通、大学の学食は利益を上げなくて当然のものです。ですが、ここの学食は明らかに利益をあげています。消費税アップのためにやむを得ず値上げします…と言うのは嘘です。学食で働いている人達自身が「ここの料理はいいかげんだから…」「私は食べたくない。」とひそひそ話しているのを聞いたこともあります。理事長の親族経営の太陽アソシエイツが赤字のため、学食の値段を釣り上げて補填しているという噂も聞きました。

この大学は、誰の目を気にしているのか、外ヅラを良くすることに一生懸命のようです。ですが、メッキはすぐに剥がれると言うように、いくら外ヅラを良くしようと、内部が充実していないことは誰にでもすぐに分かるはずです。この大学は言ってみれば骨粗しょう症の骨のようなもので、中身がスカスカなのです。そんなに外ヅラをよくしたいのなら、まず学生駐車場を舗装して、学生から使用料を取るのをやめればいい。部外者に知られてこんなに恥ずかしいことはないのではないでしょうか。普通学生から駐車料金を取りますか?そのお金はなんのために徴収し、何に使われているのですか?

理事長が専用車を持っていなくてバス通勤していたとして、誰が笑うでしょう。もし理事長がバス通勤をしておられ、それを誰かが笑ったなら、その人を私たち学生が諌めるでしょう。だって、学生と同じくバスで通勤する理事長に、親愛の情を持たない学生はいないでしょう?それにバス通勤していれば、学生の生の声を聞くことが出来ます。専用車に乗っておられるのでは、学生と接する機会も、生の声を聞く機会も得られたことはないでしょう。理事長の欲しいものはそこそこそろっているかも知れませんが、私達学生が本当に望むものは、今の北陸大学にはありません。この溝をうめるためにまずは、正面玄関横の車を全部売っぱらってみてはいかがですか。高く買ってくれる中古車屋、紹介しますよ。