(平成10年8月27日 法学部学生)
 
崩壊寸前の組織というのはどこもよく似ている。
 
北朝鮮ではここ数年の凶作や水害により多数の餓死者や亡命者が出ている。にもかかわらず北朝鮮の優秀なテクノクラート(政府高官)は、この崩壊寸前の北朝鮮を変えようとはしない。理由は二つあるだろう。一つはいくら北朝鮮がひどい状況にあっても、南北統一が実現すれば自分達が何らかの処罰を受けるであろうと思っているからである。金親子体制で自分達が甘い汁を吸ってきた事を十分に認識しているため、その責任追及を恐れているのは当然だろう。もう一つは仮に貧困にあえぐ北朝鮮国民のために立ち上がってクーデターに成功し、南北統一を果たしたとしても、その後の生活は今、自分達が暮らしている境遇より上がるかというとそうではないであろうと思っているからである。国民がどんなに貧しくとも自分達は豪勢な暮らしができるのなら、あえて火中の栗を拾うような真似はしないだろう。北朝鮮が崩壊しそうでしないのは、このいわば「不安定の中の安定」−宗教的イデオロギーと恐怖政治−にその要因がある。
 
さて、この文章の「北朝鮮」を「北陸大学」、「テクノクラート」を「理事」、「南北統一」を「大学正常化」、「金親子」を「北元親子」、「北朝鮮国民」を「北陸大学教職員・学生」におきかえてみよう。北陸大学の現状と未来が浮き彫りにされたような気分になる。
 
崩壊寸前の組織というのはどこもよく似ている。

 
 
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