(平成9年2月28日 愛媛新聞)

北陸大、残業の賃金を未払い

 

金沢労基署、是正勧告

 

学長選出をめぐり内紛が続いている私立北陸大(金沢市)が、職員の残業に対して賃金を支払っていなかったとして、金沢労働基準監督署は27日までに、同大学を経営する学校法人北陸大学(北元喜朗理事長)に対し過去2年間にさかのぼって割増賃金を支払うよう是正勧告した。

大学側は是正勧告を受けたことを認めた上で「指導を受けたことについては誠実に対応したい」と話している。

同大学などによると、1995年1月から96年12月にかけて2年間、職員約50人の規定残業時間(毎月男子48時間、女子24時間)を超える分の賃金が未払いだった。大学関係者によると、未払いの賃金は2年間で計約2千万円に上るとみられる。

北陸大学教職員組合は昨年11月、「賃金未払いや、就業規則の作成手続きが労働基準法に違反している」として金沢労基署に申告していた。

同組合では「職員の勤務時間は、タイムカードに記録されているものとは別に各課長らが規定時間内に調整して申告し、申告分だけ賃金が支給されていたようだ。2年間で計600時間以上の残業に賃金が支給されていない職員もいる」としている。

同大学の干場聡史人事課長は「(是正勧告を受けたことは)遺憾だ。改めるべきところは改めていきたい」と話している。