(平成10年12月16日 北陸中日新聞 第2社会面)

北陸大訴訟が結審
金沢地裁 判決は2月12日






北陸大学(金沢市)が教授会を通さずに学長らを選任したのは違法として、教授25人が学校法人北陸大学を相手に学長と3学部長の地位不存在確認などを求めた訴訟の口頭弁論が15日、金沢地裁(渡辺修明裁判長)であり、双方が最終準備書面を陳述して結審した。
14日に理事会の推薦を受けた元薬学部長河島進氏が新学長に選ばれ、佐々木吉男現学長の辞任が決まったため、教授側は学長の地位不存在確認請求の取り下げを求めたが、大学側は「新学長任命は来年1月1日。法律的に争いたい」などとして同意しなかった。判決は
2月12日。訴えによると、同大の理事会は教授会の審議を経ずに、1996(平成8)年8月、元亜細亜大学長の衛藤瀋吉氏を学長に選ぶことを決議した。同様に薬、法、外国語の各学部長の選任や薬学部教授の採用を決定したことは、重要事項に対する教授会の審議権を認めた
学校教育法に違反し無効とし、大学側が学長・学部長の任用規程を改変し「大学の私物化を図ろうとした」などと主張した。
その後、衛藤氏が学長に就任しなかったため、衛藤氏の選任無効確認から、佐々木学長の地位不存在確認に請求を変更した。
大学側が請求の一部取り下げを認めないことについて、教授側は「考えられない、かたくなな立場。(訴えの利益がなくなった部分について形式的には勝てるので、裁判所に判断させたいのだろう」と話している。

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