月28日 北国新聞)

 

衛藤氏の学長選出撤回

      北陸大理事会 学内の正常化急ぐ

新学長選任を巡って理事会と教員有志グループが対立している北陸大で27日、同大理事会は次期学長に亜細亜大学前学長の衛藤瀋吉氏(73)を選出した決定を取り消す、と発表した。

北陸大教員有志グループは昨年12月、衛藤氏の学長選任無効の確認訴訟を金沢地裁に提訴。今月21日には自主選挙で中山研一教授(法学部)を学長候補者として選んでいた。

26日開かれた理事会ではこうした現状について「学内がまとまっていない以上、このまま衛藤氏を迎えても十分に手腕を発揮してもらえない」と判断したとしており、中川幸一専務理事は「教員有志グループの要望も検討し、一刻も早く学内の正常化を図る。新学長選任も急ぐが、有志グループが行った自主選挙は法的根拠がない」と話している。

「一定の評価できる」教員有志グループ

一方、教員有志グループの土屋隆教授は、理事会の次期学長選任の決定撤回について「一定の評価はできると思う。ただ、新学長が決まったわけではなく、今後も教員の意思を大学運営に反映させるよう求めていく」と話している。

 

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割増賃金の支払い勧告

金沢労基署北陸大に 職員の残業代未払い

 

金沢労働基準監督署は27日までに、北陸大が職員の残業に対して賃金を払っていなかったとして、同大に対して過去2年にさかのぼって割増賃金を支払うよう是正勧告した。

北陸大によると、平成7年1月から2年間、職員約50人の規定残業時間(毎月男子48時間、女子24時間)を超える分の賃金が未払いだった。同大では具体的な金額について精算中としているが、大学関係者内には未払い総額は2000万円を超えるとの見方も出ている。

北陸大教職員組合は昨年11月、「賃金未払いや、就業規則の手続きが労働基準法に違反している」と金沢労働基準監督署に申告していた。

北陸大の干場聡史人事課長は「学内で労働基準法に対する認識が甘かった。勤務時間の管理を徹底するなど、改善を図りたい」と話した。