(平成12年12月22日 北陸中日新聞朝刊)

「辞職願 意志と違う」北陸大
教授が地位保全申請


 北陸大学(金沢市太陽が丘)の初谷良彦法学部教授が大学側から今月二十二日付で辞職を許可されたことについて「かつて出した退職願は自分の意思に基づくものではなかった」として二十一日、来年三月末までの教授職の地位保全を求める仮処分を金沢地裁に申請した。
 申請などによると、初谷教授は八月末、北元喜朗理事長に法学部長の辞任願と教授の辞表願を提出。今月八日に,二十二日付での教授の辞職を許可された。
 しかし,辞職願は,提出前に,家庭の事情で法学部長の辞任について河島進学長に相談した際,北元理事長の意向として「形式的に教授の退職願を出してほしい」と言われたためだったとしている。同教授は「少なくとも来年三月までは、学生たちの授業に責任を持ちたい」と話している。
 一方、大学側は「辞職願は初谷教授がかねて別の大学に移ることを希望しているため出されたもので、大学の就業規則に従い、事務的に辞職を決めた」としている。
 また同大学では後期途中で初谷教授が辞職することについて学生の一部から「単位認定がどうなるのか」との声があり、河島学長が二十一日,学生主催の説明会に出席。▽初谷教授の後任については法学部で検討中▽既に三分の二以上の講義が終了しており、単位認定には問題はない」などと説明した。


戻る