(平成12年12月22日 読売新聞朝刊)


北陸大 理事長らと対立の教授
 年度途中で退職させる


 北陸大学(金沢市,北元喜朗理事長)の法学部教授(59)が、年度途中のきょう二十二日付で、大学側から退職させられることに学生らが反発、約千五百人分の署名を集めて抗議する事態が起きている。教授は二十一日,地位存在確認の訴えなどを金沢地裁に提出した。
 教授によると、来年度に他大学へ移る話があったことなどから八月三十一日、河島進学長に相談。その際、辞職願を出すよう言われたため、日付が書き込まれていない辞職願を提出した。だが今月八日になって,突然、二十二日付の退職決定が大学側から通知された。
 これを知った学生の求めに応じて学長が二十一日,学内で数百人の学生に対し説明会を開いたが、単位認定などの話だけで、教授の途中退職の理由は説明されなかったという。
 大学側は、読売新聞の取材に対し、「提出されていた退職願を受理しただけ。休講が多いなど勤務状態が悪く,大学に対し事実にもとる中傷も行っているため年度途中の退職となった」と説明。教授が「年度途中で辞めさせることは、学生を無視したもので、理事長の意に添わない者を排除する動きだ」と反発している。
 教授は、大学の運営方針を巡って、理事長などと対立していた。



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