(4月5日 朝日新聞)

 

     北陸大

功労者に「終身年金」

                 文部省の指導で廃止

 

学長の選出をめぐって内紛の続いている私立北陸大学(金沢市)で、理事会側は役員や学長の「功労者」に退任時の給与相当額を死亡するまで毎月支払い、本人が死亡した場合はその配偶者に2分の1の額で支払い続ける「終身年金」制度を採用していたことが4日、分かった。文部省の指導を受けて、3月27日の理事会で廃止を決めた。

同大学の功労年金贈呈規程によると、功労者の要件は@学校法人創立時に設立準備委員だった。A法人の常勤役員として勤続10年以上B学長を勤続6年以上など。1994年に

施行され、理事長が金額などを決められる。

同制度が適用されたことが分かっているのは、現理事長の父で、95年5月に退職した前理事長。理事会側は「支払期間と額についてはコメントできない」としている。廃止した理由について理事会側は「文部省の指導や学内外の意見を踏まえ、不適切だと自主的に判断した」と説明している。

文部省学校法人調査課は「すべての大学の状況を把握しているわけではないが、終身年金は聞いたことがない。指導はこの規定を含め大学の運営全般にわたった」と話している。