(平成12年12月28日 北陸中日新聞朝刊)



北陸大教授 『日本刀で脅され辞職』
 慰謝料求め理事長を提訴

 北陸大学(金沢市太陽が丘)の初谷良彦法学部教授(59)が同大学の教授職の地位保全を求めている問題で、初谷教授は二十七日、北元喜朗同大学理事長に日本刀をのど元に突きつけられたうえ、教授職をやめるよう脅され精神苦痛を受けたとして、北元理事長を相手に二百万円の慰謝料を求める訴えを金沢地裁に起こした。
 訴状などによると、初谷教授は家庭の事情から法学部長の辞任を希望し、河島進学長に相談した。その際、北元理事長の意向として「法学部長を辞めるには、形式的に教授の退職願も出してほしい」と言われたため、八月末、北元理事長に法学部長の辞任願と教授職の辞職願を提出した。
 初谷教授はこの問題を北元理事長と話し合うため九月十四日、河島学長と同大理事長室を訪れた。その際、北元理事長に刃渡り約六十センチの日本刀をのど元の数センチ近くまでに突きつけられ、「触るだけで切れる」などと脅された後、「初谷先生、立つ鳥後を濁さずです」と教授職を早く辞めるよう言われたという。
 石川県教委で会見した初谷教授は「協力してくれた学生たちのためにも事実を明らかにしたい」と話した。


「そういう事実ない」

一方、北元理事長側はこれまで「そういった事実はなかった」と主張している。
 この問題では二十一日、初谷教授が三月末までの教授職の地位保全を求める仮処分を金沢地裁に申請している。




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