(平成13年1月13日 北陸中日新聞朝刊)

  
北陸大前法学部長退職問題 「学ぶ権利 大学側が阻害」
学生有志の会会見 大臣に上申書郵送


 北陸大学(河島進学長、金沢市)の前法学部長・初谷良彦氏の退職問題で、「北陸大学学生有志の会」は12日、金沢市内で記者会見し、「年度途中に指導教官を変えさせられたうえ、学生の意思に反し、大学側に教官も勝手に決められた。学生の学ぶ権利を阻害している」と訴えた。
 同氏の退職決定撤回を求め、昨年末に集めた学生1639人と卒業生5人の署名と、上申書を文部科学相あてに今月10日、郵送したことを明らかにした。
初谷氏は、先月22日付で教授を退職させるとした同大の北元喜朗理事長の決定に対し、教授職の地位保全を求める仮処分を金沢地裁に申請している。
 同会によると、今月10日、初谷氏担当の外国語学部の講義「日本国憲法」で、講義をしにきた同氏が、同大職員に取り囲まれ、教室に入れず、憤慨した多数の学生が授業をボイコットする騒ぎがあったという。同会は「そもそもの問題は退職手続きの不透明さにある」と批判している。
 これに対し大学側は「初谷氏の件も含め、大学が規定にのっとり、教授会を開いている」と話している。
 初谷氏は「仮処分申請中であるのに、自分の講義が専門外の教授らに割り振られ、学生の学ぶ権利を侵害している。自分としては最後まで講義を担当したいと思っており、学生らの行動には感謝している」と話している。
 また同会は、学生有志が大学の現状を伝えるHP(ホームページ)を開設したことも明らかにした。アドレスはhttp://dropouter.tripod.com/



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