(平成9年7月25日 北陸中日新聞)

 

正常化考えシンポ

教職員有志ら 大学のあり方討議

 

学長選出方法などをめぐって理事会と教員らの対立が続く北陸大(金沢市)の教職員有志らは24日、金沢市下本多町の同市観光会館で、「第一回北陸大学の正常化を考えるシンポジウム」を開いた。

主催したのは、同大の教員らでつくる「北陸大学の正常化を目指す教職員有志の会」。学長選出をめぐる一連の対立や、文部省の行政指導を受けた大学の運営体制などを取り上げ、大学の在るべき姿、大学改革の在り方などについて討論しようと開催した。

「大学自治に基づく大学運営」をテーマに特別講演した鴨野幸雄・金沢大法学部教授は、ドイツや米国の例を挙げながら「教育研究とは、従来の考えを批判しながら新しいものを生み出す努力であり、そのためには自由でなくてはならない」と学問の自由≠保障することの意義を説明。

その上で「大学を設置者などの拘束から解放しないと、大学本来の機能である教育研究に専念できない」と、大学の自治の必要性を訴えた。

このほか、教授有志らが学長問題などの経緯や現状、各学部ごとの問題点などについて報告した。