(平成13年1月27日 北陸中日新聞朝刊)



「日本刀突きつけぬ」 北陸大訴訟 理事長側が反論


 北陸大(金沢市、北元喜朗理事長)の前法学部長・初谷良彦氏の辞職問題で、日本刀を突き付けられて辞職を迫られ精神的苦痛を受けたとして、初谷氏が北元理事長を相手に、慰謝料200万円の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、金沢地裁(渡辺修明裁判官)で開かれた。北元理事長側は「日本刀を突きつけたことはない」と論求の棄却を求め、全面的に争う姿勢を示した。
 答弁書で北元理事長側は「初谷氏らと話し合った際、話題が『武士道』に及び、日本刀を抜いて見せたことはあるが、のど元に突きつけたり、辞職を迫ったりはしていない」と反論。さらに「虚偽やわい曲した事実を流布され、甚大な被害を被った」として、初谷氏を相手に反訴を起こす方針を示した。
 訴状によると、初谷氏は法学部長を退任して教授を続けることを希望していたが、大学側から法学部長退任願だけでなく、形だけの教授職の辞職願も提出するよう促され昨年8月末、提出した。同9月に理事長室に呼ばれ、のど元に日本刀を突き付けられた後、北元理事長から「教授も辞めなさい」と迫られた。同12月には、教授職の辞職を12月22日付けとする内容証明郵便が送りつけられた。
 金沢地裁は今月、初谷氏の教授職地位保全を認める仮処分を決定している。
 

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