(平成9年7月26日 毎日新聞)

 

自治の大切さ訴え

北陸大学 正常化考えるシンポ

 

学長選出のあり方などをめぐる理事会と教授らの対立が民事訴訟にまで発展した北陸大学(金沢市太陽が丘)の教授有志が24日、金沢市観光会館で「第1回北陸大学の正常化を考えるシンポジウム」を開いた。教職員や学生、保護者ら約130人が、大学のあるべき姿を考えた。

鴨野幸雄・金沢大法学部長が「大学自治に基づく大学運営」と題して記念講演。欧米の大学運営の例を挙げて、学問の自由の意義を主張。「懲戒権や監督権の下で自由な研究は行なえない。学問が独立したものであるにもかかわらず、研究者自らは雇われる立場にならざるをえないところに大きな問題がある」と指摘しながら、大学の自治の大切さを訴えた。

このほか、各学部の教授らが学長選任問題の経緯や大学の現状を報告、今後の課題を検討した。