(平成13年5月25日 北國新聞朝刊)


学生2人がO157  金沢の学生寮 集団感染の恐れも


 金沢市保健所に24日までに入った連絡によると、同市内の大学学生寮に住む18歳の男子大学生2人から病原性大腸菌O157とベロ毒素が検出された。
 同学生寮にはこのほか、学生ら245人が入居しており、同市保健所は、集団感染の恐れがあると見て感染源を調べている。県内で同時に2人以上のO157の患者が確認されたのは今年初めて。
 同寮ではこのほか、5人が腹痛などを訴えて入院しているが、いずれも24日現在でO157、ベロ毒素は検出されていないという。感染が分かった2人は入院中で、快方に向かっている。
 同保健所の調べでは、感染した学生のうち、1人は17日に、もう一人は19日に発症。2人とも学生寮で出される朝食、夕食を食べていたことから、同市保健所は22日から学生寮の給食施設に食事提供の自粛を求め、7日から16日までに出された70品目を検査している。
 同市保健所は、学生寮には感染症予防法に基づき、便所、浴室、洗面場などの消毒を指示した。入居者全員を対象に検便や健康調査を実施しており、26日にも結果が判明する見通し。
 同市保健所は「個人情報の保護に留意することを定めた感染症予防法に従い、患者が特定されないよう大学名は公表しない」としている。
 
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