(平成13年5月27日 北國新聞朝刊)

金沢の大学寮 O157感染 新たに9人 
患者計11人 食事から菌検出されず


 金沢市内の大学の学生寮に住む男子学生2人が病原性大腸菌O157に感染した問題で、新たに同じ寮に住む学生9人からO157とベロ毒素が26日までに同市保健所の検査で確認された。この寮の感染者は男性4人、女性7人の計11人となった。
 7日から16日に寮の食堂で出された料理70品目からは菌が検出されていないことから、同市保健所は、寮の食事ではなく、別の経路から感染した疑いがあるとみて原因を調べている。
 同市保健所は、二次感染を防ぐため、寮内の便所などの消毒と手洗いの徹底を大学側にあらためて指示した。
 同市保健所は寮の学生ら230人に検査を実施、26日までに結果が判明した122人のうち、男性2人、女性7人で感染が分かった。いずれも病院で治療を受け、快方に向かっているという。
 金沢市保健所は検査結果で分かっていない108人に加え、残る寮の関係者22人の検査も急ぎ、さらに感染者がいないかどうか調べる。
同市保健所は「患者のプライバシー、人権を尊重する感染症予防法の趣旨に従い、大学名は公表しない」と説明しているが、関係者によると、学生寮は北陸大の施設で、大学側は「感染の拡大を防ぐため全力を挙げる」としている。
 同市保健所によると、この学生寮では、このほか9人が新たに腹痛や下痢を訴えて入院したが、O157は検出されていない。抗生物質などを投与された場合、菌が検出されないことがあるという。


 
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