(平成9年4月4日 北國新聞)

 

新学長、学部長認めず

 

北陸大の有志教授グループ 訴訟の内容を変更 

 

北陸大の次期学長に衛藤瀋吉氏(73)を選任した同大理事会決議の無効などを求める訴訟を金沢地裁に起こしていた同大の教授24人は3日、理事会が衛藤氏の就任を撤回し新学長に佐々木吉男氏(69)、さらに三学部の新学部長に三氏を選任したことに伴い、訴えを佐々木氏ら四氏の地位不存在の確認を求める内容に変更する手続きを取り、受理された。

変更申立書によると、理事会側が先月29日、新学長に佐々木氏を選び、法学、外国語、薬学の各学部長の新任人事を決め、それぞれ4月1日付で就任させたのは、いずれも重要事項の審議権を認めた教授会を無視しており、学校教育法に違反する。また、薬学、外国語学部の教員集会などで独自の各学部長候補者が推薦されたが、理事会はこれを無視したとしている。

北陸大の新学長をめぐっては教授有志グループと理事会側との和解交渉が先月28日に決裂していた。同グループの島崎利夫教授(法学部)と岡野浩史教授(外国語学部)は3日午後、金沢市の県教育会館で記者会見し、「文部省から先月18日に教学組織との協調関係を指導された矢先に、これを無視して教員側に何の説明もなく今回の任命を強行した理事会側の態度は、世間の常識に照らしても許されない」と語った。

これに対し、北陸大の中川幸一専務理事は「誠に遺憾なことだがやむを得ない。今回の学長及び学部長選出は、学内現行規定に従ったものであり、手続き上問題はないし、現行規定の内容についても問題はないと判断している」と話している。