(平成9年4月1日 北國新聞)

 

学長に佐々木氏選出

北陸大理事会

教授グループは反発

 

新学長の選出方法をめぐり大学側と教授有志グループが対立している北陸大で31日、理事会は1日からの新学長として同大法学部長の佐々木吉男氏(69)を選出した。これに対し、教授有志グループは、教員の意思を反映していない決定であると強く反発する姿勢を示した。

北陸大の次期学長については昨年8月、理事会が前亜細亜大学長の衛藤瀋吉氏を選出したが、教授有志グループが無効確認を求めて金沢地裁に提訴。理事会側が衛藤氏の選出を撤回する中で進められた和解交渉は3月28日決裂していた。

中川幸一専務理事は佐々木氏の選出について「あくまで学内の現行規定に従った決定であり、問題はない」としている。

31日の理事会ではこのほか、法学部長に松本幹雄教授(70)、薬学部長に山本郁男教授(60)、外国語学部長に高田維有教授(60)も新たに選ばれた。任期は学長が4年間、法学部長は1年間、薬、外国語学部長は2年間としている。

佐々木教授は京都府出身。大阪大大学院を修了後、金大教授などを経て平成5年から北陸大法学部教授。同8年4月から同法学部長。石川県選管委員長。専門は民事訴訟法。

一方、教授有志グループは31日、金沢市尾山町の兼六荘で記者会見し、理事会に対して学長、学部長の選出やり直しを求める考えを示した。同グループによると、学部ごとの臨時の教員会、懇話会でも、理事会決定に反対することが決議され、岡野浩史教授は「決定反対の意思表示した教員は、全教員の7割余りに上る。今後は、理事会決議の無効確認を求めた提訴も検討しなければならない」と話した。