(平成9年3月1日 朝日新聞)

 

北陸大学長選任訴訟

地裁、和解を勧告

 

北陸大(金沢市)の教授25人が、教授会抜きの学長選任は違法だとして、元亜細亜大学長で、国際政治学者の衛藤瀋吉氏(73)を次期学長に選んだ理事会決定の無効確認などを求めている訴訟の第一回口頭弁論が28日、金沢地裁であり、市村陽典裁判長は原告と被告に和解を勧告した。双方は、学長就任が撤回された衛藤氏の人事を巡る仮処分申請の取り下げを含め、和解の協議に入った。

教授側はこの日、記者会見で「和解には全学教授会だけでなく、教員全員の意見を反映できる規定をつくることが条件だ」と指摘。原告団の1人、土屋隆教授は「公選制を求める署名を理事会に出した昨年2月の振り出しに戻ったという感じだ」と述べた。

理事会側は「ルールに基づき教授会を中心として教員の意志が反映できる大学運営をめざして学内正常化のため、話し合いを進めていきたい」との中川幸一専務理事名のコメントを出した。

双方は、衛藤氏の同大学着任禁止、着任妨害禁止をそれぞれ求めて仮処分を同地裁に申請している。