(平成9年3月4日 北陸中日新聞)

 

北陸大学長選問題

「理事長の仕打ち、あまりにひどい」

衛藤氏、怒りのコメント

 

北陸大(金沢市)の学長選出をめぐる問題で、大学側が先月、亜細亜大前学長の衛藤瀋吉氏(73)の次期学長就任を白紙撤回した決定について、衛藤氏は3日、学長就任の受諾から白紙撤回までの経緯を説明したコメントを発表した。

それによると、北元喜朗理事長が昨年春以来、何度も衛藤氏方を訪れ、次期学長への就任を要請。7月には「年収は3千万を下らない」「週に2晩3日くらい金沢に来てほしい」などの具体的な話も出ていたという。同年8月7日には「熱意に負けて」理事長の意向を受けいれる返答をした。その後、給与についての説明が「年収1500万円程度」と以前の話と食い違っていたことなどから再度話し合うことにしたという。

学長選出をめぐる大学側と教授らの対立が明らかになったあとは再三にわたり、学長就任の辞退や選考のやり直し、教授らとの話し合いなどを提案したが、大学側から「こちらは筋を通している」「相手が話し合いにのらないので仕方ない」などと返されたと説明。その後、2月25日になって、突然就任の見送りを告げられたという。

コメントは書き出しで「あまりにひどい。北元理事長は小生に対する仕打ちがあまりに非人間的、独善的なのでたまりかねてひとこと事実を申し上げます」とし、「納得できる経緯説明があれば、理事長非難の矛を収め、学長問題を白紙撤回することにやぶさかではありません」と締めくくっている。これに対し、大学側は「北元理事長は外出しており、どこへ出掛けているか分からずコメントできない」としている。