(平成9年2月14日 読売新聞)

 

学長候補の自主選公示

北陸大の有志教授ら

 

金沢市の北陸大学(北元喜朗理事長)を相手どり、学長任命禁止の仮処分申請や理事会決議の無効確認訴訟などを起こしている同大学の有志教授らは13日、国際政治学者で元亜細亜大学学長の衛藤瀋吉氏を新年度の新学長に決めた理事会とは別に、学長候補者を選ぶ独自の自主選挙を公示した。

学長候補に立候補したのは薬、法、外国語の全三学部の全教授50数人。自主選挙実施規定で認めている学外候補者の立候補はなかった。投票できるのは非常勤講師を除く教授、助教授、専任講師、助手、実験助手など全教員181人。投票日は21日で、学外に設けた投票所で投票を行う。

自主選挙の世話人の1人は「大学の自治を乱すつもりはなく、学長公選制を実現するための要望の1つにすぎない」と話している。

一方、大学側は教授有志らの動きに対し、「学長候補者としてだれかが出れば、いくら自主的な投票と言っても混乱を巻き起こす。このようなことが続けば大学側としても黙って見ていられない」(中川幸一専務理事)とし、このまま自主選挙が行われる場合には、学内の規定に基づいて教授有志らに対し、何らかの処分も考える可能性を示唆した。