(平成9年4月4日 朝日新聞)

 

虚偽報告2回 北陸大を指導

体育館建設で文部省

 

学長の選出方法をめぐって内紛が続いている私立北陸大(金沢市)が、体育館建設について文部省に2回の虚偽報告をし、同省から行政指導を受けていたことが分かった。

文部省によると、北陸大は1992年7月、体育館建設計画の一部を変更する報告をしたが、報告内容とは異なって2階部分を増設。さらに、建設資金2億6千6百万円を自己資金で賄うと報告していたが、実際は体育館を管理する別会社をつくり、この会社が資金を借り入れて調達していた。

文部省は、理事会の運営体制の見直し▽理事会と教授側の協力関係の確立▽内部監査の強

化▽諸規程の整備―などを3月18日、北元喜朗理事長らに口頭で指導した。

北陸大では、教職員有志が昨年11月、「私立学校振興助成法に基づいて受けている補助金の使途が不透明だ」として同大学の業務内容を調査するよう文部省に上申書を提出。また、理事会と教授グループがそれぞれ学長を選任するなど混乱が続いている。