(平成9年3月29日 朝日新聞)

 

和解交渉は決裂

理事会側の条件に反発

 

北陸大(金沢市)の教授25人が、教授会抜きの学長選任は違法だとして、理事会決議の無効を求めている和解交渉が28日、金沢地裁(市村陽典裁判長)であった。元亜細亜大学長の衛藤瀋吉氏の学長人事をめぐり仮処分申請はともに取り下げたが、理事会側が出した「新学長は、現行の学長任用規定に基づき選任する」との和解条項に原告側が反発し、和解は決裂した。両者は金沢地裁の和解勧告以来、暫定的な新学長を決め、その間に教職員の意思を反映させた新学長の選任方法を検討する方向で話し合ってきたが、双方の主張が折り合わなかった。

教授側は記者会見で「和解に向け精力的に努力してきたが、和解条件はいままでの交渉の中で出た提案より後退している。今後の対応は理事会による新学長の任命を待って考えたい」と説明。理事会側は「規定をあわててつくるのは無理だ。3月中に新学長を選び、話し合いに向けてできるだけのことをしたい」とした。