(平成9年2月22日 北陸中日新聞)

 

北陸大

自主選挙で「学長」選ぶ

182人中132人が投票

『実効性ない』と大学側

 

教授会を通さずに次期学長を選任した理事会決議をめぐり、北陸大(金沢市)の教授有志と大学側が対立している問題で、教授有志は21日、同大の全教員を有権者とした自主学長選挙を行い、同大法学部の中山研一教授(70)を次期学長候補者≠ノ選出した。教授らは「自主選挙は、学長選出に教員の意思を反映させたいという意思表示」としている。

 

法学部の中山教授に

 

同大理事会は昨年8月、亜細亜大前学長の衛藤瀋吉氏(73)を次期学長に選任したが、教授有志らは「教授会を通さない学長選任の規定は学校教育法に違反する」と反発。昨年12月、学校法人(北元喜朗理事長)を相手どり、衛藤氏を次期学長に選出した理事会決議の無効確認などを求める訴えを金沢地裁に起こした。

自主選挙は、教授有志らが作成した学長選出規定に基づいて行われた。全教員182人のうち132人が投票。中山教授は投票総数の89.4%にあたる、118票を集めた。

自主選挙に対し大学側は、「学内の秩序を混乱させる行為」とし、選挙に参加しないよう呼び掛ける文書を全教員に配布。今月14日には、自主選挙の実施禁止を求める仮処分を金沢地裁に申し立てている。

中川幸一専務理事は「実効性のない選挙と(教授らから)説明を受けており、(自主的な学長選出による)混乱がないよう見守るしかない。こちらの基本的な姿勢は変わらないが、教授らとの話し合う場をつくっていきたい」と話している。