(平成9年2月14日 北陸大学中日新聞朝刊)
 
北陸大学長選 教授ら自主選挙公示
大学側「解雇含め処分も」

教授会を通さずに次期学長を選出した理事会決議をめぐり、大学と教員らが対立している北陸大(金沢市)で13日、教授有志らによる自主的な次期学長選挙が公示された。投票日は21日。
教授有志らは「あくまで自主選挙であり、教員の意思表示をするためのもの」としているが、大学側は「学内規定に反しており、大きく秩序を乱す行為」と批判、教授有志の一部に対し「解雇も含めて処分を検討する」と強硬な姿勢を見せている。
同大理事会は昨年8月、亜細亜大前学長の衛藤瀋吉氏(73)をを次期学長に選任した。「北陸大学学長任用規定」によると、学長候補者し常任理事会の構成員でつくる選考会議で選出するが、教授有志らは「教授会を通さない学長選任の規定は『大学には重要事項を審議するため、教授会を置かなければならない』とする学校教育法第59条に違反する」と反発。昨年12月、学校法人北陸大学(北元喜朗理事長)を相手取り、衛藤氏を次期学長に選出した理事会決議の無効確認などを求める訴えを金沢地裁に起こした。
教員有志らは今年1月、公選制を取り入れた独自の学長選出規定を作成。これに基づく選挙について全教員の約7割の支持を得たため実施に踏み切った。
こうした教授らの動きに対し、大学側は今月6日、久野栄進学長名で選挙に参加しないよう呼び掛ける文書を全教員に配布。また、教授有志のうち世話人を努める6人に対し「(自主選挙を行った場合は)重大な決意をもって対処せざるを得ない」とする内容の文書を2度にわたり郵送しているという。
中川幸一専務理事は「自主選挙は学内の秩序を大きく乱す行為で、誠に残念としか言いようがない。投票までには時間があるので、教員らには引き続き選挙に参加しないよう呼び掛けていく」と話している。