(平成9年2月28日 朝日新聞)

 

北陸大理事会「衛藤学長」を撤回

 

教授会抜きの学長選出をめぐって理事会と教員グループが対立している金沢市の私立北陸大学で、理事会は27日、昨夏に選任した元亜細亜大学長で国際政治学者の衛藤瀋吉氏(73)の学長人事の撤回を決めたと発表した。撤回の理由は「現在の学内の状況では衛藤氏の手腕を発揮できる環境が整っていないから」。25日の常任理事会で撤回方針を固め、同日、理事長が上京して衛藤氏に伝えた。新たな学長選考はまだ白紙の状態で、教員側の意向を聞きながら進めたいという。

教員側は21日、独自につくった学長選任規定に基づいて自主選挙をし、北陸大法学部教授の中山研一氏(70)を「学長」に選んでいる。衛藤氏の学長人事の撤回について、教員側の1人、土屋隆・薬学部教授は「自主選挙の効果だと思う。教員の受け止め方は微妙に違い、統一見解はいえない」と話している。