(平成9年2月22日 読売新聞朝刊)

 

北陸大次期学長問題

教授有志が自主選挙 中山法学部教授選ぶ

 

次期学長選任をめぐり、金沢市の北陸大学(北元喜朗理事長)の教授有志が大学側を相手に理事会決議の無効確認訴訟などを起こしている問題で、教授有志は21日、独自の学長候補者を選ぶ自主選挙を行い、中山研一法学部教授(70)を学長候補者に選んだ。大学側はすでに、国際政治学者で亜細亜大前学長の衛藤瀋吉氏(73)を次期学長に選任している。

投票は薬、法、外国語の全三学部の全教授60人の互選制で、学外の投票所を利用して行われた。有権者数は教授、助教授、専任講師、助手など全教員182人で、投票者数は132人。投票率は72.5%だった。

全教員の約7割の支持を背景に自主選挙を告示した教授有志に対し、大学側は今月14日、自主選挙実施禁止を求める仮処分申請を金沢地裁に提出していた。

今回の自主選挙について、教授有志側「あくまで学長候補者。学内を混乱させるつもりはない」と話し、大学側の中川幸一専務理事は「実効性のない自主選挙であるので、これ以上の混乱が生じないよう、教授有志らには良識をもって判断してもらいたい」としている。