(平成9年4月4日 福井新聞朝刊)

 

文部省 北陸大(金沢)を行政指導

体育館建設で虚偽報告

 

学長の選出方法をめぐり内紛が続いている北陸大(金沢市、北元喜朗理事長)が、体育館の建設について2回にわたり文部省に虚偽報告し、同省の行政指導を受けていたことが3日、分かった。

文部省によると、北陸大は、構内に建設した体育館に当初の計画になかった2階部分を増設したが、同省に報告していなかったことが昨年5月に発覚、注意を受けた。また同省に計画の変更を提出した際に、体育館を管理する別会社をつくり、同社が資金を借り入れたにもかかわらず、学校法人が負担したと同省に再度虚偽の報告をしたという。

同省はこのほか、北陸大の理事会が学校法人と関連企業の関係者に偏って構成されていることを指摘した上で@理事会などの運営体制の見直し A理事会と教授側の協力関係の確立 B内部監査の強化−などを3月18日、北元理事長らに口頭で指導した。

北陸大の教職員有志は昨年11月、同大学の業務内容などを私立学校振興助成法に基づいて調査するよう、文部省に上申していた。

文部省では「私立学校振興助成法に直接違反する点はなかったが、(今回のような指導は)あまり例のないケ−ス」としている。