(平成10129 読売新聞朝刊)

 

北陸大入試

薬学部と法学部の英語 出題内容にダブリ

時間割を変更して対応

 

27、28日に行われた北陸大学(佐々木吉男学長、金沢市)の98年度入試で、薬学部と法学部の英語の問題の内容に一部ダブリがあることが出題者の教授の申し出で判明。同大では、試験日を2日間のうちから自由に選択できる制度を導入しており、内容のダブリが分かったのが27日の試験開始後だったため、初日は予定通り実施した。

試験日程の変更について同大学では、「公平を期すためにやむを得ずこうした措置をとった」と理解を求め、「受験者の心理的影響がゼロだったとは言い切れないが、混乱は見られなかった」と説明している。

募集要項では、、28日の薬学部の試験は当初、1時間目が数学、2時間目が英語、3時間目が化学の順序で行われる予定だった。一方、法学部は、1時間目が英語、2時間目は選択(国語、日本史、世界史)で両学部とも時間帯は全く同じ。

28日の変更理由について同大の山本郁男薬学部長は「法学部と薬学部の受験生が携帯電話などで休み時間に情報交換したりして、不公平が生じる可能性もゼロとは言い切れないと判断した」と説明、「英語問題の具体的なダブリ内容を早急に調査したい」と話している。

試験は、東京、名古屋、大阪、仙台、新潟、富山など金沢以外でも全国21か所で実施されており、27日は薬学部約1800人、法学部約500人、28日には薬学部約1000人、法学部約290人の志願者があった。

同大によると、各会場では28日、薬学部の受験生に掲示や口頭で受験日程の入れ替えを伝えた。