(平成10年1月29日 朝日新聞朝刊)

 

試験科目の順番変更 北陸大薬学部

 

北陸大は28日、一般入試の薬学部の試験科目の順番を急きょ変更した。同大学は「薬学部の英語の試験が外国語、法学部の英語の試験の内容と一部重複していたため」と説明している。

北陸大によると、薬、外国語、法学部の全学部で試験があった。薬学部の試験は、数学、英語、化学の順の予定で、他学部は英語、国語、歴史の順。重複する内容を含む英語の試験を、異なる時間帯に実施すると受験生に不公平が生じる可能性があるとして、薬学部で数学と英語を入れ替えた。

同大学は金沢市の太陽が丘キャンパスなど全国22カ所で試験をしており、該当する受験生約1600人に当日朝、会場入り口に紙を張り出して知らせ、各教室でも試験監督官が口頭で変更の事実だけを伝えたが、混乱はなかったという。

27日にも、薬学部と他学部の英語の試験内容に重複があることが判明したが、試験の開始後だったため、そのまま実施した。

これに対し、文部省は「事前に点検して万全の態勢で臨むことが大前提だ。突然の変更は生徒が動揺することも考えられ、好ましくない。ただ、善後策としてなら妥当とせざるを得ないだろう」と話している。