(平成10年2月4日 朝日新聞朝刊)

 

北陸大の入試順番変更問題

 

英語で他の学部と共通

入試委、去年5月に把握

 

北陸大が一般入試の当日に薬学部の試験科目の順番を急きょ変更していた問題で、教授ら10人でつくる学内の入試委員会(委員長・佐々木吉男学長)が昨年のうちに、順番変更の原因となった英語の試験問題に他の学部と共通部分があることを把握していたことが3日、関係者の話で分かった。文部省大学入試室は「聞いたことがないミスだ。受験生が動揺した可能性がある」と話している。

入試委員会は、学生募集要項や入試会場、日程など、入試全般について審議する機関で、入試準備の進行状況に合わせて開かれる。

委員会の議事録や関係者の証言によると、昨年5月、問題を作成する教授から英語の入試問題の一部を重複させたいとの申し出があり、委員会もこれを認めた。同大学は受験生が複数の学部を受けられるよう、学部ごとに内容の違う試験をつくり、学部間で試験時間をずらしていた。だが、何種類も問題をつくる教員の負担が大きく、今年初めて英語の出題内容を半分ほど共通にしたという。佐々木学長は「出題内容は学内でも極秘で、どの学部間で重複があるのかまでは分からなかった。試験の順番が変わっただけで、当日も大きな混乱はなかった」と説明している。

同大学入試課によると、同大学は27、28両日、全国22会場で試験があり、計4200人余りが受験している。