(平成10年1月30日 毎日新聞朝刊)

 

北陸大薬学部入試

時間割 急きょ入れ替え

英語問題 8割が他学部と重複

 

北陸大学(佐々木吉男学長、金沢市太陽が丘)の98年度入試で、薬学部の英語の問題の8割が、法、外国語学部での出題分と重複していたことが判明し、大学側は28日の薬学部入試の時間割を急きょ入れ替え、英語を法、外国語学部と同じ時間帯で実施していたことが29日分かった。

 

出題委員間の調整ミス

 

北陸大の入試は3学部とも27、28日の2日間。両日とも薬学部は数学、英語、化学の順で行う日程だった。法学部と外国語学部は両日とも、英語、選択(日本史、世界史、国語)の順で、試験時間帯は各学部とも全く同じ。

英語試験の重複は27日朝、出題者の教授の申し出で判明。既に開始していたことから、混乱を避けるため初日は予定通り実施した。しかし、28日は「薬学部と法、外国語学部の受験生が1、2時間目の間の休憩中に試験内容について連絡を取り合う可能性もあり、不公平が生じる」として、薬学部の時間割を急きょ変更し、他学部と同じように英語を初めに持ってきた。

北陸大は28日朝、薬学部の試験会場入り口に「都合により数学と英語の試験時間を変更します」との張り紙を掲示するとともに、職員が口頭で直接、受験生に説明。大学側は「受験生に心理的な影響を与えてしまったかもしれないが、大きな混乱もなく、個々の出題内容に問題はなかった」としている。

入試は、金沢市の学内のほか、全国21会場で実施され、28日は薬学部1000人、法学部288人、外国語学部272人が受験した。

入試問題作成答案調査委員長の山本郁男・薬学部長は「問題の作成、出題を担当する英語入試出題委員の5、6人の教員の間で調整ミスがあったのが原因と思う。私自身、出題内容にまで踏み込んでチェックできなかったことに責任も感じている」と話している。