(平成10年6月6日 北陸中日新聞朝刊 第二社会面)

 

規定の変更経緯証言 北陸大訴訟 学長選任で原告教授

 

北陸大学(金沢市)が教授会の審議を経ずに学長を選任したのは違法だとして、教授24人が学校法人北陸大学を相手に佐々木吉男学長と3学部長の地位不存在確認を求めた訴訟の口頭弁論が5日、金沢地裁(渡辺修明裁判長)で開かれた。

原告の土屋隆・同大名誉教授(66)が本人尋問で、学長の選任規定と学部長の候補者選出内規が、大学側によって変更された経緯を説明。ともに公選制が定められていたが、1987年度の外国語学部新設や設置準備などを理由に、特例として選挙を行わずに学長は理事長、学部長は理事会がそれぞれ任命することになり、その後、選挙規定が廃止された、と述べ、規定変更の理由を「教授会の党派的対立や自立性の欠如」などとする大学側の主張に反論した。

教授側は、松本幹雄法学部長が退任し、教授会の推薦した初谷良彦教授を理事会が認め、同教授が4月1日付で学部長に就任したため、法学部長については訴えを取り下げた。また、同大を退職した原告3人が提訴を取り下げた。