(平成10年6月6日 朝日新聞朝刊 石川版)

 

「公選制は有名無実化」 北陸大学長選任訴訟 証人喚問で名誉教授

 

北陸大の教授らが大学側を相手取り、教授会抜きの学長選任の無効などを求めている訴訟の第7回口頭弁論が5日、金沢地裁(渡辺修明裁判長)で開かれた。

1996年12月の提訴以来初めての証人尋問があり、原告の一人の土屋隆・同大名誉教授が出廷、開学からの学長や学部長選任方法などを証言した。

土屋名誉教授は「かつては教授会が推薦した候補者を理事会が承認する形を採っていたが、次第に理事会が単独で選ぶようになった」と証言し、教授会による公選制が有名無実化したことを強調。さらに「理事会が、大学の規定を教授会抜きで変更することで、不明朗な経営や教育環境の荒廃が進んでいる」と述べ、「大学を正常化するためには、教授らの意向を尊重した学長を選ぶ必要がある」とした。

次回の口頭弁論は7月3日にあり、大学側の反対尋問がある。