(平成10年12月10日 北國新聞朝刊 第2社会面)

北陸大 学長選出は選挙制に
理事会で決定 佐々木学長は辞任へ


学長、学部長選出の方法をめぐって大学理事会と教授有志グループが法廷で争ってきた北陸大は9日までに、全学教授会の審議を経て、従来の任命制から選挙制に移行することを理事会で決定した。12日に学長選挙を行う。理事会と教授有志グループの調整役を務めてきた佐々木吉男学長は既に任期半ばで辞任願いを理事会に提出、受理されており、次期学長が決定し次第、辞任する。北陸大の教授24人が、教授会の意向を無視して選任されたとして同大の佐々木学長と3学部長の4氏の地位不存在の確認を求めた訴訟が昨春から金沢地裁で続き、12月15日に結審する。これに先立って全学教授会、理事会が正常化に向けて論議を重ねた結果、選挙制への移行を決めた。
学長の選出方法はこれまでは、理事会で候補者を決めて理事長が選任する形をとっていた。新方式では教員、理事からなる推薦会議で候補者を決め、講師以上の選任教員の投票で有効投票の2割以上を得票した人を対象として、理事会で投票し、過半数の得票者を学長に選ぶことにした。
今回の学長選では、河島進薬学部教授と初谷良彦法学部教授が推薦会議で候補者に選ばれた。
学部長の選出方法も、学長が理事会に推薦した候補者を理事長が選任していた方式から、学部単位で教授が投票して2票以上の得票者を候補者とした後、各学部で講師以上の専任教員で投票し、過半数の得票者を学部長に選任する方式に改めた。
地位不存在確認の裁判では、被告の大学側は「原告は学長ら代表役員の任免に関与する立場にない」と請求却下を求めたのに対し、原告側は「教授会には大学の重要事項を審議する権限があり、重要事項に学長、学部長及び教授の任免が含まれるのは明らか」などと反論してきた。しかし、理事会側と教授側は昨年春ごろから、学長、学部長の選出方法をめぐり学内で協議を進めてきた。

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