(平成10年12月10日 北陸中日新聞朝刊 第2社会面)

北陸大学  学長選12日投開票
  教授有志と理事側対立


専任をめぐって揺れている北陸大(金沢市)の学長選が12日、投開票される。立候補しているのは教授有志らが推す同大法学部長初谷良彦氏(57)と、理事側の元薬学部長河島進氏(56)。学内の収拾に向けた学長選出の新規定だが、再び両者の対立があらわになった格好だ。
学長選は7日に公示。学長任用規定をはじめ、内規などを定めた4つの規定は11月10日に施行。暫定的な学長として平成9年4月に就任した佐々木吉男氏は11月10日、辞職願を提出、受理されている。
新規定は、1年数か月にわたり両者を支持する意見を教授会ですり合わせた。特に難航した「有効投票数の20%以上を得票した者全員を理事会にかけ任命する」との項目が決定したことについては、「理事側に有利な非民主的な選挙」と教授有志らが納得していない背景もある。投票権があるのは専任教員約130人。
北陸大では、平成8年9月、教授会を通さずに理事会決議だけで衛藤瀋吉氏(元亜細亜大学長)を選任したことに教授有志らが反対し、対立が表面化。理事側の大学私物化が学長選出にまで及んだ結果として金沢地裁に提訴。結審は学長選直後の15日にあたり、動向が注目されている。

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