(平成10年12月11日 読売新聞朝刊 石川版)

北陸大学  学長選出に選挙制導入
  12日に投開票 教授側の意向も反映


北陸大学(金沢市太陽が丘、北元喜朗理事長)の学長選出方法を巡り、理事会と教授有志とが対立していた問題で、同大は10日までに、教授らの投票で学長を選ぶ選挙制を導入することを決めた。12日に投開票が行われる。
従来は、意思決定機関である理事会決議で学長が選出されていたが、教授側の意向も反映されることになったもの。裁判にまでなっていた学内の争いは、これで、ひとまず区切りを迎えそうだ。
新しい選出の方法では、まず、法、外国語、薬学の各学部の理事、教員からなる推薦会議で学長候補を決定。
選挙では講師以上の選任教員131人が投票、有効投票のうち20%以上の票を獲得した候補が理事会へ上げられ、10人で構成される理事による投票で、過半数を獲得した候補が学長となる。
7日に告示された今回の選挙では、河島進薬学部教授(56)と初谷良彦法学部教授(57)が候補に推薦された。
また、学部長の任命についても、これまでの学長と理事会による選考から、各学部内での選挙で選任される方法が導入されることとなった。現学長の佐々木吉男氏(71)は任期を2年半残し、すでに辞表を提出している。
この問題を巡っては、理事会が96年8月、国際政治学者で前亜細亜大学学長の衛藤瀋吉氏(75)を新学長に選任したが、教授有志側が同12月、教授会の審議を経ずに学長を選出したのは学校教育法に違反するなどとして、理事会決議の無効確認を求め提訴。同訴訟は今月15日に結審する。
同大は「対立関係が改善することになり、大前進だと思う」と話している。

戻る