平成10年9月上旬、卒業生から多数の教員および組合委員長、組合書記長らに以下の手紙が郵送されましたので、掲載させていただきます。
今後とも、組合として正常化のためにやれることは全力を尽くしてやっていくつもりですので、卒業生のみなさんの支援をよろしくお願いします。


北陸大学に直接または間接に関わる皆様へ
 
 唐突にこのようなお手紙を差し上げる不躾をお許し下さい。私たちは北陸大学の卒業生で、白アリにでも食い荒らされたように土台が腐り崩壊寸前の状態にある母校の現状を憂い、正常化を願うものです。
 北元喜雄・喜朗父子が理事長職をオーナーでもないのに世襲にし、その側近と共に大学を喰い物にしているとの悪評を在学中から学内ばかりではなく巷でも耳にしていましたが、平成8年6月に発行された金沢の地方誌・時局と真相の「北陸大学内にはびこる不正・不倫の数々」と題された記事の、理事長達の呆れるばかりの奇行と愚行の数々の内容に愕然としたものでした。
 その後も北陸大学について、新聞、テレビ、雑誌などで次々に大きく取り上げられました。勝手に決めた次期学長を勝手に撤回してマスコミから揶揄された理事長の自作自演のドタバタ劇、文部省への虚偽報告と文部省から理事長への厳しい行政指導、残業手当を払わずに職員を長年働かせ労働基準監督署から警告と改善勧告を受けた等々。
インターネットの北陸大学職員組合のホームページに掲載の組合ニュースや有志の会の会報を読み、あまりのひどさに改めて義憤を感じています。
 北元父子が経営する太陽グループに大学の金を流し、業者にはリベートを強要し、学生の教科書代までもピンハネし、理事達は法外な高給をとり、親の前理事長には3億円の退職金と年間3千万円近くの終身年金を払っているとのこと。理事長親子に尽くした旧職員にも高額な年金を与えていて、年金総額は1億円を超えているとのこと。理事長や側近の頻繁で贅沢な外国旅行、理事や幹部の運転手付きの何台もの高級車、理事長の使う多額の飲食費など、無駄使いは数え上げればきりがないようです。これらに使われる大学の金は全部学生の授業料です。それなのに、講義室は狭くてお粗末でグランドや体育館もまともなものはありません。3億円は学生250人分の授業料で、毎年100人もの学生が退職した元職員に年金を払っていることになります。
 現体制が代わらなければ大学の正常化はないことは明らかです。先生方はあまりのひどさに以前から怒っていましたが、3年ほど前から教職員組合や大学の正常化を目指す教員有志の会などをつくり、理事会の刷新や理事長退陣などを叫んでいます。在学生もキャンパスの改善などのビラを、脅迫や厳しい監視下にもめげず何度も撒いてきました。今年になって、千数百名の在学生が理事長退陣要求の署名をし、文部省やマスコミにも発表しました。多数の学生の親達も署名して協力してくれました。それなのに、理事長や学長はこれらをすべて無視し大学の事情は今までとほとんど変わりません。
 理事長が責任もとらず平気で勝手なことができるのはどうしてでしょうか。良識のある人をすべて排除して、大学の幹部はすべて理事長父子の言いなりになる人で固めたからです。(これを是正するように文部省から指摘されたようですが)。理事長に絶対に逆らわずいいなりになることが大学幹部になれる必須の条件で、能力や実績は全く関係ないとのことです。理事長の不可解な言動などから推測しても、常識があり有能な人はあの理事長の言いなりにはなれない筈です。
 
 教職員についても同じで、理事長に迎合し忠誠を誓う人でないと学長や学部長などの幹部にはなれないとのことです。3.4年前に現理事長が就任した際、当時の外国学部長と薬学部長は即座に忠誠を誓い、法学部長は渋ったので険悪な空気が流れたとの話は当時学生だった私たちにも伝わってきました。外語学部長は企業から来て教職の経験のない人で、薬学部長は教授になりたての実績の殆どない人で、破格の抜てきに感泣していたともっぱらの噂でした。理事長は、実績と能力のある先生は自分の自由にならないので極端に嫌っていて、そのために多数の先生が大学を辞めました。
 先生方の意向を無視して、咋年またも理事長が勝手に今の学長、学部長などを決めました。大多数の先生と学生が理事会の刷新を求めているのに、管理職になりたい一心で理事長に尻尾を振って近ずいた人達が、学長や学部長や学生部長になったそうてす。彼らは、プライドも良識も捨てて理事長の歓心を得ようとして、正常化に努力している先生に対して誹謗怪文書を出したり、盗聴やスパイ紛いのことまでもして妨害をしたとのことです。
これに反発した多くの先生は、学長と学部長に辞任勧告をし裁判も起こしています。それでも、彼らは平気で、学生がキャンパスの施設や環境の改善を求めても、ビラを撒いても、不法監禁されても、理事長退陣要求をしても、知らん顔でひたすら地位にしがみついているばかりとのことです。とくに、学生部長などは学生から常識を疑われ顰蹙を買っています。これでは正常な大学運営や教育は無理です。
 学内でも学生も絶えず監視され言論や行動の自由はありません。先生達は尾行や盗聴に神経をとがらせ学内電話や研究室では私たちとも自由に話も山来ないと警戒しています。
 母校の悪口を並べましたが、私たちは悩んでいます。もっと勉強したくとも法と外語には大学院もありませんし、現状では作りたくても基準に達せず認可されないらしいです。良い先生がどんどん辞めて、理事長が勝手に人事をするからとのことです。これでまともな教育ができるのでしょうか。私たち卒業生も、大学の評判が悪くなると社会や企業内での評価も低くなるのです。本質的に改善すべきと思います。自慢できる大学ではないしする気もしませんが、卒業生としてこれ以上母校が悪くなるのには堪えられません。
 
 高校の進路指導の先生−大学の事務員が人買みたいに訪れての甘言に騙されて生徒に受験を勧める前に、北陸大学を正常化するように大学を指導して下さい。先生達の勧めで入った学生と卒業生は泣いています。
 有馬文部大臣−3月に学生が北元喜朗理事長の退陣要求を前文部大臣に出しましたが、なしのつぶてで未だに何の連絡もありません。ぜひ取り上げて善処して下さい。
 地元の有識者の皆様−北陸大学の現状は皆様の方が私たちよりよくご存じのことと思います。地元の発展のためにも地元が誇れる大学にして下さい。それから、大学の悪評と私たちとは別です。就職や仕事ではよろしくお願いします。
 北陸大学の先生−正常化を目指す有志の会と教職員組合の先生方、めげずにもっと頑張って下さい。卒業生と学生がついています。理事長やゴマ摺り教授など追い出して、大学を良くして下さい。先生達も北陸大学の先生ですとどこででも胸を張って言えるようになって欲しいです。私たちばかりでなく先生までもが卑屈でいるのは悲しいです。
 
平成10年9月

北陸大学の正常化を願う卒業生