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1996年11月19日

 

  話合い合意を求めて

 1996年も残すところ、1か月余りとなりましたが、みなさんにとってはどんな1年だったでしょうか。まだ入試をはじめとして大切な業務も多々残されていますので、諸事において遺漏なきよう来年の準備を整え、12月22日からの休暇を迎えていただきたいと思います。さて、本学は11月12日までに5回に亘り懸案の給与改訂について組合と誠意をもって話合いを続けてきました。しかしながら、財務諸表の提示をめぐって平行線をたどり、残念ながらこの時期においても合意を得るに至っていません。本学としては年末の話題も多くなるこの時期、職員の皆様に安心して年の瀬を迎えていただくために、できれば11月分の給与から改訂額での支給を考えていました(4月遡及分を含む)。そのためには、11月12日までに準備をする必要がありましたが、残念ながら11月分からの改訂給与支給は見送らざるを得ないことになりました。

 しかしながら、もうすぐ12月です。職員の皆様の生活のことを考えると、何とか年末賞与までに給与改訂を間に合わせたいと考えており、そのため引き続き誠意を持って話合いを続けますので、今しばらくお待ちいただきたく、皆様のご理解とご協力をお願いするものです。なお、本学の年末賞与は遅くとも昨年より早く支給できるよう努力いたします。

 本学の給与改訂についての基本的な考え方は「With 第1号」で述べた通り、穏やかで安定した昇給を目指しながら、将来に不安のない財務計画を確立することです。この方針のもとに、当初、人勧ベースに沿った1.7%アップを提案しましたが、その後、今期後半の経費節減について再検討し、それが見定まったことで、許容範囲の中で精一杯の提示をしております。現在、提示中の改訂案の内容は裏面に記してあります。

 

   〔提示中の改訂案の内容〕

@平均昇給率は、全職員の平均で2.63%(10,600円)

A給与改訂は本年4月分にまで遡り、夏の賞与を含めて差額を支給する。

B12月の賞与は3.5月分までの範囲で人事考課のうえベースアップも含めて支給する。

 

 改訂案では、30〜39歳の平均昇給額が一般職員では10,600円程度、教育職員では11,400円程度となっており、特に生活実感の強い年代に配慮したのが特徴となっています。

 

 参考までに申しますと、本年の人勧ベースは1.85%(6,451円;定期昇給+ベースアップ)です。また、全国レベルの春闘結果は、日経連の統計で2.81%(8,628円)、連合の統計で2.84%(8,351円)となっており、地元においては県内主要企業66社の平均が2.37%(5,507円)、連合石川傘下125組合の平均が2.73%(7,491円)となっています。また県内の他大学においては、おおむね人勧ベースに沿った昇給が実施されています。本学としては、現行給与がこの地域の大学ではトップクラスであることを鑑みますと、今回の改訂案は他と比べても遜色はないものと考えています。

 

  入試スタートのこの時期

  相次ぐ「本学にとって残念な出来事」について

 

 いよいよ入試シーズンの到来を迎えました。入試が本学の社会的存在価値を問う極めて重要なものであることは、今さら言うまでもありません。まず第1ラウンドは11月23日、24日の一般推薦入試です。

 ところが、本学にとって重要なこの時期に歩調を合わせるかのように最近、誠に残念な出来事が幾つか起こっています。本学の発展を願う立場で考えれば、理解し難い行為であり、関係者自らの賢明な判断による自粛を望むものです。

 

◎組合が10月30日に石川県地方労働委員会に救済を申し立てたことについては残念に思います。また、この件に関して報道機関各社に公表したことについて、何故敢えて社会に周知する必要があったのでしょうか。大学と組合は、教育の原点と大学の真の発展を見据えながら課題の解決に向けて話合いを重ねる努力が大切であり、学内の課題を報道機関を通じて広く社会の人々に知らせた理由は到底理解できません。

◎また、11月13日には教職員有志が文部省に上申書を提出したとの事です。この件については内容等を確認のうえで今後対応したいと考えています。しかし、この件に関しても教職員有志はわざわざ朝日、北陸中日、北国の各新聞社に通知をして報道による周知を図りました。何故その必要があるのか、このことも極めて遺憾な出来事です。

◎最近、県内各高校進路指導室などに本学を誹謗中傷する文書が相次いで送付されています。だれの行為によるものかは今のところ不明ですが、その文書は本学の名誉を著しく傷つける根拠もいわれもない内容であり、到底見過ごすことのできないものです。こうした文書を、本学の入試スタートの時期に、しかも高校進路指導室に送り付けた行為は、本学の社会的評価への影響を考えれば許し難いことです。本学としてはこうした卑劣な行為に対しては強い姿勢で臨んでおり、現在調査中です。皆様において参考情報等がございましたらこ編集責任者までご一報をお願いします。

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